キーエンス出身者が教える「営業の仮説思考」 型と組み合わせ、提案力を上げる:ハイパフォーマンス営業の頭の中(1/3 ページ)
成果を出し続ける営業は「型」だけでなく「仮説思考」のスキルも鍛えています。今回は、型と仮説を組み合わせることで営業としてどうレベルアップできるかを解説していきます。
連載:ハイパフォーマンス営業の頭の中
圧倒的な成果を出し続ける営業は、日々どのようなことを考え、どのように実行しているのだろうか? キーエンス、SAP、freeeなどで16年の営業キャリアを積んだ筆者が、早期に成果を出すためのヒントや営業組織の強化方法を紹介します。
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前回まで3回にわたり、営業の型の習得法について説明しました。しかし、どこにいっても通用するような営業になるためには型の習得だけでは不十分です。
型と両輪になる「仮説思考」を身につけなければなりません。仮説については、7月12日に出版した拙著『仮説起点の営業論』でも320ページにわたって実例を交えて説明しています。より深く理解したい方は今回の内容と合わせて読んでいただければと思います。
なぜ「型」だけで不十分なのか? というと、型には得意なことと、苦手なことがあるからです。まず、型が得意なことは「答えがわかっていること」「状況が変化しないこと」に対して短期間で対応できるようになることです。
型とは、過去の多くの成功体験から共通項を抜き出して作られているので、同じ状況であれば高い確率で成功します。また、一つの状況に対応する型だけを覚えればいいのであれば、覚える量も少ないので早期に習得が可能です。
このような特徴から、解決できる課題の範囲が限定的で、単機能のソリューションやプロダクトの営業をしている場合には特に効果を発揮します。
一方、苦手なこともあります。得意なことの反対である「答えがわからないこと」「状況の変化が激しいこと」に対応することです。
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