人的資本経営の要は「管理職」 現場と経営をつなぐマネジメントのポイントを徹底解説:会社全体で考える「人的資本」(1/4 ページ)
「会社全体で考える『人的資本』」と題して続けてきた本連載。人的資本経営を推進するのは経営者と人事部門だけではない。経営と現場をつなぎ、現場の人材(人的資本)をマネジメントすることで成果の創出が求められる管理職の存在が非常に重要となる。
会社全体で考える「人的資本」
人的資本経営といっても、経営者、人事担当者、投資家など、立場によってその取り組み方、考え方は異なるものだ。本連載では、株式会社タナベコンサルティングのエグゼクティブパートナー 古田勝久氏が、それぞれの立場に立った取り組み方を解説する。
「会社全体で考える『人的資本』」と題して続けてきた本連載。第1回では経営者が取り組むべき事柄について、第2回では経営者のパートナーとなる人事部門について取り上げてきた。
これまでも述べてきた通り、企業において「人」という経営資源は従来「コスト」と捉えられることが一般的であった。これに対し人的資本経営は、「人は重要な財産(資本)である」と定義し、その価値を増大させることで中長期的な企業価値向上を目指す経営の在り方だ。人的資本経営を推進するのは経営者と人事部門だけではない。経営と現場をつなぎ、現場の人材(人的資本)をマネジメントすることで成果の創出が求められる管理職の存在が非常に重要となる。
一般的に管理職といえば、自部門の中で従業員の育成を行い、作業効率を高める改善を繰り返すことで生産性の向上を目指すマネジメントが多かったのではないか。一方、人的資本経営では、自部門の人材が持つスキルや能力、強みを最大限に引き出し人的資本の価値を向上させていくマネジメントが必要だ。つまり、管理職はこれまでのマネジメントとは価値観を180度変える必要がある。
それはこれまでの管理職像とは違う、人的資本経営を推進する新しい管理職の姿が求められることを意味する。では、人的資本経営時代における、管理職に求められる新しい役割について具体的に考えていきたい。
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