「Pokemon GO」7周年 500万人が熱狂し続ける驚異のアプリに隠されたユーザー体験:グッドパッチとUXの話をしようか(1/3 ページ)
7月22日に7周年を迎えた「Pokemon GO」は、いまだに500万人ものユーザーを抱えている。そこにはファンが離れない秘密と、ユーザーが出戻りたくなる仕掛けがあった。Pokemon GOのユーザー体験を解説する。
連載:グッドパッチとUXの話をしようか
「あの商品はどうして人気?」「あのブームはなぜ起きた?」その裏側にはユーザーの心を掴む仕掛けがある──。この連載では、アプリやサービスのユーザー体験(UX)を考える専門家、グッドパッチのUXデザイナーが今話題のサービスやプロダクトをUXの視点で解説。マーケティングにも生きる、UXの心得をお届けします。
灼熱の太陽が降り注ぐ中、「もう少しあっちじゃない?」「いたよ!」と森林でカブトムシを捕まえるかのような会話をしている親子が捕まえていたのは、スマホの中に住むポケモンでした。
「Pokemon GO」は7月22日にリリース7周年を迎えました。サービス開始直後からあっという間に話題になり、レアポケモンを捕まえるためにユーザーが特定のエリアに集中しすぎてしまったり、侵入禁止エリアに入ってしまったりなどの社会現象を起こしたのはもう7年前のこと。
先日、Pokemon GOアプリと連携して遊べる新商品デバイス「Pokemon GO Plus+」が発売されました。このデバイスとPokemon Sleepというアプリを連携することで、睡眠時間やリズムを計測できる仕様になっています。Pokemon Sleepは告知からリリースまで日数が空いていたこともあり、待ち望んだユーザーも多かったでしょう。
実は筆者はPokemon GOを7年継続し、毎日プレイするヘビーユーザーです。「あのゲーム、まだ続いてるの?」と驚かれることもありますが、Pokemon GOはサービス開始直後の爆発的ブームが去っただけで、ビジネス的には7年間優秀な状態を維持しています。
開発元の米国企業「Niantic」は、複数のAR事業を終了/プロジェクト中止する一方で、Pokemon GOについては「健全に保ち、永遠のゲームとして成長させる」と注力していく姿勢を示しています。
Pokemon GOはなぜ、7年も人気を保ち続けられているのか? 今回はNianticがユーザーに届けたい「思い」からゲームに詰め込んだ、とんでもないユーザー体験の数々をUXデザイナーとして解説していきます。
Pokemon GOのユーザーを引き込む仕掛け
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