時価総額1兆超え 伝説のIT企業「モノタロウ」のすごいビジネスモデルを解説:勝手に考察!「隠れ優良企業」のビジネスモデルに学ぶ(1/4 ページ)
一時期は楽天の時価総額を上回っていたB2BのIT企業「モノタロウ」をご存じでしょうか? 隠れ優良企業のすごいビジネスモデルを分析していきましょう。
連載:勝手に考察!「隠れ優良企業」のビジネスモデルに学ぶ
ビジネスには「絶対成功の法則」はないが、成功の可能性をあげるためのセオリーはある。勝ち続けている企業の背景にはどのようなカラクリがあるのか。
ビジネスモデル初心者を対象にわかりやすく、実際に今も躍進を続けている企業の分析を通じて我々が知っておくべき「成功のためのネタ」をご紹介します。
※本記事は「事業がつくれるベンチャーマネージャーになるためのnote」内記事を加筆したものになっています。
お腰にきび団子をつけていそうな、ちょっと変わった名前の企業「モノタロウ」。実は売り上げ2000億円。時価総額約1兆円のモンスターIT企業です。
あのサイバーエージェントの時価総額が5000億円で、一時期は楽天の時価総額を上回っていました。といえばそのすごさが伝わるのではないでしょうか。世の中にはこうした「隠れた優良企業」が存在します。
モノタロウって何をやっている会社?
MonotaRO(モノタロウ)は兵庫県尼崎市に本社を構える、工業用間接資材(※)のECサイトを運営している会社です。
サイトのキャッチコピーは「現場を支えるネットストア」。取り扱い商品数は2000万点(7月23日時点)に上ります。決算資料によるとアスクルの取り扱い点数は1247万点なので、かなり大きい規模だと分かります。
モノタロウは現場・工場で必要とされるあらゆるアイテムが手に入る「現場・工場のAmazon」のような存在です。2009年に東証1部上場を果たし、時価総額はかつて日本上場企業トップ100入りしていました(23年7月現在は175位)。売り上げが1000億円を超えて以降、年次の平均売上成長率が20%を超えています。
しかもモノタロウのすごい点は「仕入れてきて、売る」というシンプルなビジネスモデルであるにもかかわらず、利益率が高いことです。他でも買える物を仕入れて売るわけですから一般的にはあまり利益率が出ないモデルです。なのに同社は営業利益率が13%と高利益率を誇ります(似たようなモデルであるアスクルの営業利益率は5%を切っています)。
シンプルなビジネスモデルでどのように高利益率を実現しているのでしょうか? ビジネスモデルや会社の成り立ちの紹介だけでなく、今後の可能性についても考察していきます。
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