チームのKGIを「売り上げ」に設定してはいけない では、何が適切か?:トライバルメディアハウスのマーケ戦略塾(1/2 ページ)
今回はチームのKGIを「売り上げ」に設定すべきではない理由について解説していきます。売り上げはあくまで「結果」だからというのが筆者の考えですが、ではKGIには何を設定すればよいのでしょうか?
連載:トライバルメディアハウスのマーケ戦略塾
「思うように売り上げが上がらない」「マーケティングが効いているのか効いていないのかわからない」理由の多くは、戦略が論理的に組み立てられていないことに起因しています。本連載では、マーケ戦略策定に潜む10の落とし穴とその解決法を解説していきます。どうすれば「筋の良い」マーケティング戦略を組み立てることができるのか?――トライバルメディアハウスのマーケ戦略塾、開講です。
前回の記事では「結果には複数の原因があること」「戦略は直線的ではなく構造的であること」「全体構造を把握するためには俯瞰(ふかん)の目が必要なこと」について解説しました。今回は「効果測定指標を売り上げにしてはならない」ことについて説明します。
売り上げは「結果」である
簡単に前回までのおさらいをしておきましょう。
まず「売り上げ10億円を目指す」は「目標」であり「戦略」ではないと話しました。また「昨年の売り上げは9億円で、目標に1億円届かなかった」は、さまざまな施策(入力)を講じたことによる結果(出力)です。至極当たり前のことですが、意外と誤解している人が多いので、もう一度言います。売り上げは「結果」であり、直接コントロールできないのです。
車の運転をしていて時速30キロで走っているとき、当たり前ですが速度メーターは時速30キロを示しています。他の車の流れに乗るように、スピードを時速40キロまで上げたいとき、何をしなければならないか。当然、アクセルを踏まなければなりません。このとき、アクセルが入力、車のスピード(速度計に示される数値)が出力です。売り上げも同じです。入力(施策)があり、出力(売り上げ)がある。まずこの「因果の順番」が大前提です。
そして、結果に影響を与える要因(変数)は複数あり、それらは構造的につながっています。結果に影響を与える変数が構造的なのであれば、戦略も構造的でなければなりません。
なぜ、売り上げをKGIにすべきではないのか?
関連記事
- マーケ戦略の良し悪しは「何で」決まるのか? 「筋の良い戦略」が描けない理由
「思うように売り上げが上がらない」――その悩みの背景にはマーケティング戦略が論理的に組み立てられていないことがあるのではないでしょうか? マーケ戦略策定に潜む10の落とし穴とその解決策を解説していきます。 - マーケ戦略の基礎は「構造」にあり 「ダイエットが失敗しがちな理由」から読み解いていく
なぜあなたのマーケティング戦略は筋が悪いと言われてしまうのか? まず「筋のいい戦略」の条件を理解した上で、次は「戦略は構造体である」ということについて、ダイエットが失敗しがちな理由を交えて解説する。 - 「Pokemon GO」7周年 500万人が熱狂し続ける驚異のアプリに隠されたユーザー体験
7月22日に7周年を迎えた「Pokemon GO」は、いまだに500万人ものユーザーを抱えている。そこにはファンが離れない秘密と、ユーザーが出戻りたくなる仕掛けがあった。Pokemon GOのユーザー体験を解説する。 - なぜ人は「ゼルダの伝説」にハマるのか? マリオのユーザー体験と比較して分かったこと
5月12日に発売された「ゼルダの伝説」の最新作が、発売たった3日で世界販売本数1000万本を突破した。30年以上も愛されるゲームの魅力とはなにか? なぜ人は「ゼルダの伝説」にハマるのか? ユーザー体験(UX)の観点からひも解いていく。 - 楽天・PayPayに続く経済圏となるか SMBCグループの「Olive」が伸びそうな2つの理由
三井住友フィナンシャルグループが3月に発売した、コンシューマー向けの金融統合サービス「Olive」が話題になっている。マーケティング支援会社のシンクジャムが「Olive」が伸びそうな2つの理由を解説。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.