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「チョコぬいじゃった!きのこの山」はどうやって生まれたの? 明治に聞いた経済の「雑学」(2/4 ページ)

明治の新商品「チョコぬいじゃった!きのこの山」が、反響を呼んでいる。発表後すぐにSNSで話題となり、想定以上の売れ行きに。大胆な発想のヒット商品が誕生した背景を取材したところ……。

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夏場はチョコが苦戦する。じゃあ「ぬいじゃおう」

 明治の新商品「チョコぬいじゃった!きのこの山」は、名前の通り通常の「きのこの山」からチョコレートをなくしたもの。クラッカー部分だけが約60本入っている。「暑くてチョコレートが溶けるから」とはいえ、思い切ったコンセプトだ。


こんがりと焼き上げられたクラッカーが約60本入っている(筆者撮影)

 同商品が生まれた背景には、カカオ事業における夏場の売上減という課題があった。

 「これまでは、夏になると商品パッケージに『チョコを冷やして食べよう』と印字して『冷やしチョコ』の訴求をしていました。常温のチョコレートとは異なるパリッとした食感が楽しめますよと。ただ、店舗で購入して持ち帰る間に溶けてしまうことを防ぐのは難しかったんです」(杉山氏)

 昨年に続き、今年も記録的な猛暑になるとの報道を受け、カカオマーケティング部では「何か猛暑に打ち勝つ術はないか」と頭をひねらせていた。そこでひらめいたのが、「いっそのことチョコをぬいだら、夏に強くなるのではないか」という逆転の発想だった。


「チョコをなくせば溶けないから買ってもらえるのでは」「おもしろがって話題にしてもらえそう」といった思惑があったようだ(明治提供)

 「きのこの山」及び「たけのこの里」は、市場に対してネタ的なおもしろさを発信することをブランドステートメントとしている。だからこそ、もはや「きのこ」でも何でもない姿になっても「いいんじゃない」と社内ですんなり受け入れられたわけだ。きっと消費者がおもしろがって話題にしてくれるだろうと。

 実際、消費者の反応も、売れ行きも想定以上に良く、夏の終わりを待たずに完売する店舗も出てきているようだ。増産予定はなく、あくまで「ひと夏の思い出」として店頭に出ている在庫分がなくなった時点で終売となる。

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