クロネコマーク、生みの親は社員の子ども 64年目に初リニューアルのワケ:経済の「雑学」(1/2 ページ)
「クロネコヤマトの宅急便」でおなじみのヤマトホールディングス。そのシンボルとして広く知られているクロネコマークは、どのようにして生まれたのでしょうか。
「クロネコヤマトの宅急便」でおなじみのヤマトホールディングス。同社のシンボルとして広く知られているクロネコマークは、ある米国企業をきっかけに生まれました。
ヤマトホールディングス(当時の大和運輸)は1957年、米国の運送会社であるアライド・ヴァン・ラインズ社と業務提携を結びます。このアライド・ヴァン・ラインズ社で使用されていたのが、親子ネコのマークでした。同社では、親ネコが子ネコの首をくわえて大切に運ぶ様子から、「careful handling(丁寧な荷扱い)」のシンボルとして使用していたそうです。
このマークを見た創業者の小倉康臣氏は「運送会社の心構えを適切に表現している」と強く共感。アライド・ヴァン・ラインズ社のジェームズ・カミンズ氏から使用許可をとり、親子ネコをマークとして使用することにしました。
マークのデザインを担当したのは、当時の広報担当者である清水武さん。彼の娘さんが画用紙にクレヨンで描いた親子ネコのイラストをもとにマークは作られたそうです。57年6月に完成した親子ネコマークは、85年に準社章となりました。
以来64年間親しまれてきたクロネコマークに、大きな転機が訪れます。2021年に初めてデザインが変更され、新デザインが採用されたのです。
同社コーポレートコミュニケーション部の担当者よると「クロネコマークに込めてきたこれまでの思いを変えることなく、都市や街、地域の環境により調和し、溶け込みながら、日々重ねてきたサービスをさらに進化させていく意思の表明」であり、より未来志向のデザインになったといいます。具体的には、黒い線がなくなり、親子ネコを囲む黄色の楕円が大きくなっています。また、親ネコのしっぽや耳の形、子ネコの足の形などを変更しました。
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