コラム
3万台突破の「しゅくだいやる気ペン」 ハマる親子続出のユーザー体験に迫る:グッドパッチとUXの話をしようか(1/3 ページ)
夏の学生の風物詩といえば、その一つに「宿題」があるだろう。子どものやる気を引き出し、前向きに宿題に向かわせる、IoT文具「しゅくだいやる気ペン」が人気だ。ハマる親子続出のユーザー体験に迫る。
連載:グッドパッチとUXの話をしようか
「あの商品はどうして人気?」「あのブームはなぜ起きた?」その裏側にはユーザーの心を掴む仕掛けがある──。この連載では、アプリやサービスのユーザー体験(UX)を考える専門家、グッドパッチのUXデザイナーが今話題のサービスやプロダクトをUXの視点で解説。マーケティングにも生きる、UXの心得をお届けします。
学生が夏休みを謳歌する8月。子どもの夏休みも終盤に差しかかり「宿題が終わってない」と家庭内で一騒動が起きている方もいらっしゃるのでは。
「どうしてもっと早くやらないんだ」と思いつつ、手元に残った多くの宿題を前に苦い顔をしていた幼少期の自分を思い出す──子どもと宿題との戦いは今も昔も変わらないのでしょう。
そんな親子の強い味方として、SNSでも話題となっているのがコクヨのIoT文具「しゅくだいやる気ペン」です。家庭学習の習慣化を支援するというコンセプトのIoT文具で、2019年の発売以降、累積出荷台数が3万台を突破している大ヒット商品です。
このしゅくだいやる気ペン、コンセプトも見事ながら、実際に効果を実感した親子が多いことが口コミやヒットにつながっているようです。
では、どのように子どものやる気を引き出し、勉強の「習慣化」を実現しているのか。UXデザインの視点で分析すると、しゅくだいやる気ペンの裏側にある「緻密に設計されたユーザー体験」が見えてきます。
しゅくだいやる気ペンの「遊び心」ある仕掛けの数々
関連記事
- なぜ人は「ゼルダの伝説」にハマるのか? マリオのユーザー体験と比較して分かったこと
5月12日に発売された「ゼルダの伝説」の最新作が、発売たった3日で世界販売本数1000万本を突破した。30年以上も愛されるゲームの魅力とはなにか? なぜ人は「ゼルダの伝説」にハマるのか? ユーザー体験(UX)の観点からひも解いていく。 - 「Pokemon GO」7周年 500万人が熱狂し続ける驚異のアプリに隠されたユーザー体験
7月22日に7周年を迎えた「Pokemon GO」は、いまだに500万人ものユーザーを抱えている。そこにはファンが離れない秘密と、ユーザーが出戻りたくなる仕掛けがあった。Pokemon GOのユーザー体験を解説する。 - サントリーの「ビアボール」 ビール離れ進む若者の間で話題に、なぜ?
ここ15年以上「前年割れ」を記録しているビール市場で、サントリーの新ビール「ビアボール」が、若者の人気を集めている。どのようにこの熱狂が作られたのかというと…… - 10年で市場規模が10倍に 「アナログレコード」復活の理由をUX観点から考える
サブスクサービスで音楽を聴くことが増えてきましたが、意外なことにここ10年で「アナログレコード」の市場は10倍に成長しています。なぜアナログレコードが人気なのでしょうか、その秘密をUXの観点から考えてみました。 - 2カ月で1億人が使った「ChatGPT」 なぜここまで流行ったのか、UX観点から解説
今、AIに関する最もホットな話題である「ChatGPT」は2カ月で1億人が利用したモンスターサービスだ。なぜここまで流行ったのか、UXの観点で考えるとおもしろいことが分かってきた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.