深刻な「渋滞問題」 ライトレールでどう変化する?
宇都宮ライトレールの開業により、渋滞問題はどれくらい改善されるのだろうか。地元住民のヒアリングなどを通じて分析してみた。
宇都宮・芳賀エリアをクルマで東西移動するにあたって、ネックとなるのは、利根川水系・鬼怒川を渡る4つの橋(板戸大橋・柳田大橋・鬼怒橋・新鬼怒橋)だ。
工場に出勤するため、宇都宮駅側からは毎朝通勤のクルマが押し寄せ、それぞれの橋ごと、朝晩ごとに前後2キロほどの渋滞が常態化しているという。これらはHONDAの工場以外のクルマ通勤が原因の渋滞もまとめて「HONDA渋滞」と呼ばれている。
工業団地に通勤する地元住民によると「普段なら川を挟んで30〜40分で済む通勤が、日によっては60〜120分かかる」ことも。その所要時間は非常に不安定で「平日朝に雨が降ると高確率で事故が起こり、所要時間も伸びる」そうだ。この渋滞ガチャを回避するために、家を早朝6時台前半に出て、芳賀町のどこかにクルマを停めて始業前まで寝る――なんてことも。
自家用車だけでなく、各企業の通勤送迎バスもこの橋を通る。他県から新幹線で工業団地に通う工員・技術者も多い。
宇都宮ライトレールの開業に伴い、HONDAは宇都宮駅からの送迎バスを廃止。1日1200人の通勤、出張利用者の移動を宇都宮ライトレールに委ねるという。
なお宇都宮ライトレールは、全区間の7割が路上を走るとはいえ、大きな交差点は立体交差や専用の軌道で越えてしまうなど、その仕様は都市部の鉄道に近い。クルマで30〜120分の「渋滞ガチャ」区間は、鬼怒川にかかる宇都宮ライトレール専用の橋を渡り「約40分程度で通過」という目算を立てて、安定して移動できるようになる。
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