コラム
戦略を実現できないワケは「現場の納得度の低さ」 どう手を打つべきか?:トライバルメディアハウスのマーケ戦略塾(1/3 ページ)
良い戦略を実行を移す際に課題の一つに「現場の納得感の低さ」があります。戦略を実行する「現場の人々」の納得感を上げるためにはどのような対策が必要でしょうか?
連載:トライバルメディアハウスのマーケ戦略塾
「思うように売り上げが上がらない」「マーケティングが効いているのか効いていないのかわからない」理由の多くは、戦略が論理的に組み立てられていないことに起因しています。本連載では、マーケ戦略策定に潜む10の落とし穴とその解決法を解説していきます。どうすれば「筋の良い」マーケティング戦略を組み立てることができるのか?――トライバルメディアハウスのマーケ戦略塾、開講です。
前回の記事では「良い戦略の4要素」「KPIツリーの概要」「戦略とKPIを一致させることの重要性」について解説しました。今回は「部署が負う責任と、果たせる機能を一致させることの重要性」について解説します。
改めて、「筋の良い戦略」とは?
ここまでの連載で「筋の良い戦略」を描くためには、下記を正しく理解していることが重要であると述べてきました。
- 戦略とは競争相手と戦い、勝利するための全体的な資源配分である
- 「筋の良い戦略」は、「目標→現状→問題点(ギャップ)→課題→施策」が論理的に組み立てられ、全体の設計図になっている
- 課題を解決するための施策には「すぐに効く費用的施策」と「中長期的にじわじわ効く投資的施策」がある
- 売り上げは経営活動全体から生まれる出力(因果の果)である
- 売り上げに影響を与えている要因(因果の因:入力)は複数あり、それらは直線的ではなく構造的につながっている(≒売上は原因特定解像度が低いためKGIに設定してはならない)
しかし、これだけでもまだ十分ではありません。たとえ筋の良い戦略が描けたとしても、戦略は人(社員)が実行します。戦略の実現可能性=戦略の筋の良さ×人(社員)の実行力ですから、望む成果(目標と現状のギャップ解消)が得られるかどうかの半分は、人にかかっています。
人の実行力も以下のようにブレイクダウンできます。
どんなに能力が高い社員がそろっていても、仕事に取り組むやる気や情熱が低ければ大きな成果は出せません。そして、そのやる気や情熱を削ぐひとつの要因が「そんなこと言われたって困る」といった会社や上司からの「無理な要求」、つまり納得度の低い目標設定です。
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