「モンハン×位置ゲーム」 “ひと狩り75秒”に込めた意図:試行錯誤(1/2 ページ)
米Nianticは9月14日、「Monster Hunter Now」を正式リリースした。同作はどのような経緯で開発されたのか。チーフプロダクトオフィサーの河合敬一氏と、シニアディレクターの野村達雄氏に聞いた。
「ポケモンGO」などのゲームアプリ開発で知られる米Nianticは9月14日、カプコンの人気ゲームシリーズ「モンスターハンター」のライセンスを得て、「Monster Hunter Now」(以下、モンハンNow)を正式リリースした。
事前登録は300万を超え、期待が高まるモンハンNow。同作はどのような経緯で開発されたのか。正式リリース直前の9月12日、チーフプロダクトオフィサーの河合敬一氏と、シニアディレクターの野村達雄氏に聞いた。
モンハンNowは位置情報とARの技術を持つNianticが、カプコンの人気シリーズ「モンスターハンター」を現実世界で体験できるように開発・提供するスマホ向けアプリだ。プレイヤーはハンターとなり、現実世界に登場するモンスターを“狩る”ことになる。
最大4人までのマルチプレイができ、近くにいるハンターと協力する方法のほかに、QRコードなどでメンバーを誘える。一人では手ごわいモンスターに対して、複数人で協力することで勝率が上がるのは原作の雰囲気を感じさせる。
なぜ「モンハン」のゲームを?
NianticがモンハンNowをつくることになったきっかけは、2019年2月にさかのぼる。ポケモンGOのリリースから約2年半がたっていたタイミングで、新しいタイトルの開発を検討していた。ポケモンと同様、日本が世界に誇るIPの中で探そうとしていた中で、最初に思いついたのがモンスターハンターだったと河合氏は振り返る。
「友人と協力して強大なモンスターに挑む『モンハン現象』は社会現象にもなりました。学生時代に学食やカフェに集まってひたすらモンハンに明け暮れていた人も多いはずです。そこから知らない人との出会いにつながり、結婚したという人も周囲にいました。
そんな光景が、『人々が外に出て、新しい場所や人に出会う』というNianticの思いにとてもマッチしていると気付いたのです。そんな思い付きから始まり、カプコンさんに提案したところ、その場で『やりましょう!』ということになりました」(河合氏)
モンスターハンターシリーズは累計9000万本以上を販売するビッグタイトルであり、国内外にファンが存在する。同シリーズの中核はやはり、モンスターを狩猟する「クエスト」にあるだろう。一方で通常、同作のクエストの制限時間は50分程度だ。スマホゲームに落とし込むことを考えると、かなり長い時間となる。このバランスの調整に試行錯誤を重ねたと野村氏は話す。
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