年末年始、なぜ「のぞみ」を全席指定にするのか 増収より大切な意味:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(2/6 ページ)
JR東海とJR西日本が、ゴールデンウィーク、お盆休み、年末年始の3大ピーク時に「のぞみ」を全列車指定席にすると発表した。利用者には実質的な値上げだが、JR3社は減収かもしれない。なぜこうなったのか。営業戦略上の意味について考察する。
しかしその前に1つだけ、利用者向けの注意点をお知らせしたい。「指定席は乗車日の1カ月前発売」だからと、12月28日に発車する列車の指定席を11月28日に予約しようとしても、すでに満席となっている恐れがある。昨年は買えたのに、指定席は増えたのに、今年は買えないかもしれない。
なぜか。10月1日から東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線のオンライン予約サービス「EXサービス(EX予約・スマートEX)」が変わるからだ。変更点の1つに「1年前から予約可能」がある。今年の年末年始も例外ではなく、さらには来年のゴールデンウィーク、夏休み、お盆休み、シルバーウィーク(秋の連続連休)も1年前から予約できる。12月28日の指定席を11月28日に買おうとしても、EXサービスの利用者によって、すでに満席になっているかもしれない。
年末年始に東海道新幹線の指定席を利用していた人にとって「指定席が増える」は朗報だ。しかし、私が見聞きした報道のほとんどが「指定席は1年前から予約できるようになる」まで言及していなかった。もっとハッキリ「年末年始の指定席予約は11月28日ではなく、今年は10月1日からだ」と伝えた報道もなかった。テレビやラジオの限られた時間では説明しきれないし、新聞記事も同様だ。年末年始に東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線を利用する方はご留意いただきたい。
確実に指定席を獲得したいなら、「EXサービス」に入会し、会員メニューから予約した方がいい。今年の予約は10月1日から! それ以降は1年前から!
23年度、新幹線の繁忙期・閑散期カレンダー。オレンジが繁忙期、イエローが最繁忙期。のぞみ全車指定席期間は12月28日〜1月4日(出典:JR東海、シーズン別の指定席特急料金の見直しとグリーン車等への適用について (JRグループ))
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