オワコンと呼ばれた映画館ビジネスは、なぜ復活を遂げることができたのか(1/3 ページ)
今年は興行収入100億円超えの作品が複数登場。それとともに「映画館」が存在感を再び高めている。コロナ禍では「オワコン」などと呼ばれていたが、いかにして存在意義を取り戻したのか考察する。
この記事は、Yahoo!ニュース個人に9月13日に掲載された「オワコンと呼ばれた映画館ビジネスは、なぜ復活を遂げることができたのか」に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。
筆者プロフィール:
徳力基彦(とくりき・もとひこ)
noteプロデューサー/ブロガー
新卒で入社したNTTを若気の至りで飛び出して、仕事が上手くいかずに路頭に迷いかけたところ、ブログとSNSのおかげで人生が救われる。その際の経験を元に、書籍「普通の人のためのSNSの教科書」(朝日新聞出版)を出版。noteやSNSを活用したビジネスパーソンのキャリア構築や、企業の広報やマーケティングのサポートを行っている。
Twitter:@tokuriki、公式サイト:徳力基彦(tokuriki)
今年は、さまざまな映画の興行収入の記録更新のニュースが話題となっています。
昨年12月に公開された映画『THE FIRST SLAM DUNK』は、公開から約9か月という異例のロングランとなり、興行収入が157億を超え国内歴代興行収入ランキングで13位になったことをご存じの方も多いでしょう。
(参考記事:映画『THE FIRST SLAM DUNK』、興行収入157億円で終映 異例のロングランで話題)
また、4月に公開された映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影』は、興行収入136億円でシリーズ歴代1位のヒットになりました。
(参考記事:映画「名探偵コナン 黒鉄の魚影」シリーズ歴代1位ヒット “興行収入136億円”に高山みなみが驚き)
さらに、同じく4月に公開された映画『スーパーマリオ』は興行収入139億円と、2023年公開の映画で1位になっています。
(参考記事:映画「スーパーマリオ」興収135.3億円。23年公開作で1位に)
映画『君たちはどう生きるか』も、宣伝なしにもかかわらず公開4日間で21億を超える興行収入を叩き出し話題になりましたし、映画『ミッション:インポッシブル』の最新作も興行収入50億円を突破し、昨年は2本しかでなかった洋画実写の50億円超えを、約1年ぶりに達成しています。
(参考記事:トム・クルーズでも世界遺産は壊せない! 累計興収50億円突破『ミッション:インポッシブル』最新作)
今までのところ、今年は、映画の当たり年という展開になっているようです。
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