連載
新生「東京モーターショー」開幕直前 4年ぶり開催で見えるクルマの未来とは:鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(2/3 ページ)
10月26日から「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」がスタートします。「東京モーターショー」から名前を変え、“モビリティ”のショーへの変化を宣言しました。開幕直前の今、ショーから見えるクルマの未来を探ります。
トヨタを筆頭に変わり始めたモーターショー
そうした時代の変化にあわせ、東京モーターショーは新たな道を模索しました。その第一歩が19年の前回開催(本来は21年開催となりますが、コロナ禍で開催中止)でした。
19年の東京モーターショーは、「オープン・フューチャー」を合言葉に、「クルマ・バイクの楽しさ」に加えて、新たに「未来のモビリティ社会」をテーマに加えたのです。その筆頭となったのがトヨタでした。
トヨタのブースでは、なんと量産車の展示がゼロ。全て未来のコンセプトカーでした。「モーターショーといえば新型車!」と思っていた人にとっては、驚くばかりの内容です。また、クルマの展示だけでなく、キッザニアとのコラボをはじめ数多くの併設イベントを用意。モビリティのお祭りという色合いが強く出た内容となっていたのです。
こうした意欲的な内容は、人々から好意的に受け止められました。結果的に19年の開催は、約130万人もの来場者を獲得。17年の約77万人の2倍に迫ろうかという大勢の人がショー会場を訪れたのです。
そうした前回の成功を踏まえて実施されたのが、今回の名称変更です。前回は、会場を訪れた人だけが感じられた「新しさ」が、今回は名称を耳にしただけで感じることができるはずです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なぜ、新型センチュリーは“SUV”と名乗らないのか 副社長が語った「その先」の戦略
9月6日、ついに新しいトヨタの「センチュリー」が初公開されました。ところが、トヨタのニュースリリースには、どこにも「SUV」「クロスオーバー」との文言はありませんでした。これは一体、どういうことなのでしょうか?
2000万円超えの高級車「センチュリー」 なぜSUV化するのか
現在、日本で唯一のショーファーカー(専用運転手付きのクルマ)であるトヨタ「センチュリー」。年内にもSUVモデルの登場が予告され、注目を集めています。そこで、センチュリーがどれほど特別な存在なのかを解説します。
新型ランクル、豊田前社長が求めた「原点回帰」 開発陣がたどり着いた答え
トヨタ自動車が発表した新型ランドクルーザー「250シリーズ」は、中核モデル「プラド」の後継で、14年ぶりのフルモデルチェンジとなる。これまでのプラドが「高級」「豪華」という路線を走る中で、豊田章男前社長は開発陣に「原点回帰」を求めた。
EVは静寂が売りなのに 各社が「疑似エンジン音」を開発するワケ
多くの自動車メーカーから新型EVが続々と登場しています。「静か」であることに重きを置くユーザーが多い一方、あえて「サウンド」にこだわるメーカーも。サウンドとクルマの関係に迫ります。
デリカミニ絶好調 三菱がeKクロススペースの失敗から学んだこと
三菱自動車の新型車「デリカミニ」が、発売前の予約だけで1万6000台を突破する絶好調ぶりです。ですが、デリカミニは新型モデルであって、新型ではありません。なぜでしょうか?




