ミドル社員管理職による仕事・職場への評価
背景によって一様ではないものの、全体として見たとき、管理職になりたいと考える若手社員は確かに少数である。それでは、実際に管理職として働いているミドル社員は自身の仕事や就労生活をどのように評価しているのであろうか。
ミドル社員のうち、管理職(課長以上の役職者)と一般社員(係長以下の社員)を比較してみよう。図4は会社全体、職場での人間関係、仕事内容への満足度を見たもの、図5は仕事を通じた幸せと不幸せの実感を見たものである。
図4と図5から見えてくるのは、管理職のミドル社員は同年代の一般社員と比較したとき、会社全体への満足度、職場の人間関係満足度、仕事内容への満足度、仕事の幸せ実感が高いということである。すなわち、若手社員が管理職になりたくないと考える一方で、実際に管理職として働くミドル社員は充実した就労生活を送っているのだ。
パーソル総合研究所では過去に管理職を対象とした調査(「中間管理職の就業負担に関する定量調査」)を行っており、管理職の置かれた状況の厳しさについて指摘している。
しかし、上記のことから浮かび上がるのは「管理職は大変だが、やりがいがある」ということである。若手社員には前半部分の「管理職は大変」だけが伝わっており、後半部分の「だが、やりがいがある」ということが十分には伝わっていないのではないだろうか。管理職として働くことの魅力を巡る世代間のディスコミュニケーションが生じている可能性が示唆される。
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