「Rakuten AI for Business」発表 OpenAIと協業
楽天グループは、AIプラットフォーム「Rakuten AI for Business」を2024年以降に提供する。米OpenAIの協力のもと、国内外の消費者や企業に新たなAI体験を提供するという。
楽天グループは11月14日、AIプラットフォーム「Rakuten AI for Business」を2024年以降に提供すると発表した。Rakuten AI for Businessでは最先端のAIソリューションを駆使し、業務改善や顧客との関係性の強化といった企業活動を支援する。米OpenAI協力のもと、国内外の消費者や企業に新たなAI体験を提供するという。
「楽天AI」の3つの機能とは?
楽天は8月にOpenAIと、AI技術を使ったサービス開発での協業を発表していた。今回の取り組みも、その一環だという。
Rakuten AI for Businessは、営業、マーケティング、カスタマーサポート、オペレーション、戦略策定、システム開発などの企業活動を支援するプラットフォームだ。
具体的には、3つの機能がある。1つ目はデータ分析やチャート作成など実用的な分析を手伝う「Rakuten AI Analyst(ラクテン エーアイ アナリスト)」、2つ目は企業の担当者が効率的により高度な消費者へのサービスを提供できるように手助けする「Rakuten AI Agent(ラクテン エーアイ エージェント)」、3つ目が企業のあらゆる資料を分析し必要な情報を提供することで顧客からの質問に迅速に回答できる「Rakuten AI Librarian(ラクテン エーアイ ライブラリアン)」だ。
楽天のティン・ツァイCDO(Chief Data Officer)は、次のようにコメントした。
「私たちはRakuten AI for Businessのビジョンとして、AI技術を通じて人類の可能性を拡張し企業の生産性を高め、これまでよりもさらに便利で快適な社会の実現を掲げています。生成AI技術の先駆者であるOpenAIとの協業を通じて、最先端のイノベーションを生み出す可能性に期待しています」
OpenAIのブライド・ライトキャップCOO(Chief Operating Officer)は以下のように話す。
「私たちは楽天と戦略的なパートナーとなることで、日本の人々にAIの最先端技術を用いた新たなインターネット体験を届けるとともに、ビジネスパートナーにとって意義のあるソリューションを提供することを目指します」
Rakuten AI for Businessではスマートフォンやタブレットなどの端末から、時間や場所を問わずにアクセスできる利便性の高いインタフェースを提供する。
楽天の通信網やクラウド技術を備えたデータセンターで、エンドツーエンドでの安全なネットワーク環境で機密データを管理するという。楽天が保有する豊富なノウハウやデータ、OpenAIの最先端技術を用いて、企業にユニークな付加価値を提供していく。
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