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30%の人手削減 ZOZO物流拠点に現れた「最新ロボット」の実力とは:国内で初導入(2/4 ページ)
物流倉庫と聞くと「在庫の保管場所」といった地味な印象を抱く読者が多いかもしれない。ZOZOが11月から本格稼働を始めた「ZOZOBASEつくば3」は、最先端の技術と高度な情報システムを張り巡らせた、近未来的な風景が広がっている。
見た目は「ニコちゃんマーク」 黄色いロボットが高速仕分け
ZOZOBASEが担う主な業務フローは次の通りだ。
(1)荷受け(ブランドやメーカーから届いた商品の受け取り)
(2)検品(入荷数や色、サイズのほか不良品の有無も確認)
(3)棚入れ(保管場所を記録しながら商品を棚入れ)
(4)ピッキング(注文された商品を棚から取り出す)
(5)仕分け(商品を注文ごとに仕分ける)
(6)発送(梱包・発送)
今回、同社が自動化に力を入れたのが(2)検品、(5)仕分け、(6)発送――のフロー。まず目に飛び込んできたのは、5階の検品作業現場で、検品を終えた商品を高速で運ぶ黄色いロボットだ。碁盤の目状に区分けされたフロアの上を、規則正しく動き回っている。
これは「t-Sort」と呼ばれる自動仕分けロボットだ。つくば3には500基が設置されている。検品を終えた商品をt-Sortがコンテナへ運んで商品別に仕分け、その後コンベアで保管エリアへ自動的に搬送される。
こうした仕分け作業はもともと、商品に添付されたシールの印字情報をもとに人が目視で行っていたが、ロボットを活用することで作業時間が大幅に短縮。処理能力は1時間あたり3万2000点に上るという。
ロボットは黄色いボディで、どこか「ニコちゃんマーク」(スマイリーフェイス)のような見た目。人の作業スペースの前に律儀に並び、商品を受け取ってコンテナへと運ぶ姿は、独特の愛嬌(あいきょう)を帯びている。
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