30%の人手削減 ZOZO物流拠点に現れた「最新ロボット」の実力とは:国内で初導入(3/4 ページ)
物流倉庫と聞くと「在庫の保管場所」といった地味な印象を抱く読者が多いかもしれない。ZOZOが11月から本格稼働を始めた「ZOZOBASEつくば3」は、最先端の技術と高度な情報システムを張り巡らせた、近未来的な風景が広がっている。
人手を3割減らした国内初導入のロボットとは?
次はいよいよ、注文された商品を出荷するフローだ。
注文を受けて保管棚からピッキングした商品は、コンテナに入れて2階に搬送される。これらのコンテナを最大5000個一時保管できるのが「シャトル&サーバ」という大型機器だ。高度な管理システムを備えており、出荷の優先度が高い順に商品を保管できる。
見た目は無機質だが、所々に黄や赤、青のデザインが施されている。
「倉庫といえば地味で暗いイメージがありますが、ZOZOのロゴマークと同じ色をデザインすることで遊び心を表現してみました。作業者が楽しく感じられる工夫です」(担当者)
ECサイトで商品を購入する際、1点ではなく2点以上まとめて買う人も多いだろう。このとき、仕分け現場では、同一人物が注文した複数の商品を探し出して、1つの梱包材にまとめるために大きな労力が費やされる。
こうした作業の自動化を可能にしたのが「ポケットソーター」と呼ばれるシステムだ。名前の通り、ポケット状の構造で、中に商品を入れて運んでいる。
ポケットソーターは豊田自動織機(愛知県刈谷市)のオランダ子会社Vanderlande社が開発。衣類やアクセサリーなど、多様な形をした商品の保管、仕分け、順立てを自動でできる。ドイツなど欧州のアパレルメーカーで導入実績があるが、国内では初導入だという。
つくば3では、約2万6000のポケットが天井から吊り下げられており、頭上をせわしなく動いていた。仕分け能力は1時間あたり1万5000点。見た目は、白米に海苔を巻いたおにぎりのようだ。
100億円に上った設備投資の中で最も大きな割合を占めたのが、ポケットソーターへの投資だった。一方で、30%の省人化に最も貢献したのもポケットソーターだという。
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