中古スマホって“ガチャ”だよね? 外資系の「整備品」が3倍ペースで伸びている背景:新品みたい(2/5 ページ)
「中古スマホ市場」が盛り上がっている。フランス発のスタートアップ「Back Market(バックマーケット)」では、中古品の品質を最大限に引き上げることで急成長している。日本市場ではどんなことをしているのかというと……。
高品質と保障で、消費者の“不安”を取り除く
中古品を普及させるにあたり、バックマーケットが最も注力しているのが「品質」だ。フランスで創業した当初、市場で売られている中古品の価格帯や品質に大きな差があることが課題だったためだ。
「品質や価格が一定ではない中古品には、“ガチャ”の要素があると思います。これが広く普及させるうえでの一番の課題であり、高品質を担保したリファービッシュ製品が定着すれば、新品よりも中古品を選んでもらえるだろうと考えました」
バックマーケットはアマゾンや楽天のようなECモールであり、リファービッシャーと呼ばれる販売業者がモール上で製品を販売している。同社では、リファービッシャーに対して厳しい品質ルールを設けることで品質向上を図っているという。
具体的には28の製品チェックポイントに沿って、部品やシステム、見た目までチェック。加えて、10以上の指標でリファービッシャーをモニタリングしており、不良が続くようなことがあれば販売量を制限するなどもしている。
グレードはA、B、Cの3種類に分かれているが、同社の口コミでは「Cグレードでも十分にキレイ」など高評価のコメントが目立つ。バッテリーの初期容量は80%以上としているが、それ以上の容量があったという口コミも多い。
30日間の返品無料と1年間の動作保証を用意していることも、購入時の心理的ハードルを下げるのに役立ちそうだ。
「品質最優先であり、基準をクリアーできなければ当店では販売ができません。取扱数はすぐに増えませんが、土台となるブランドづくりに注力して差別化を図っています」
同社のように中古品の販売業者を集めたECモールでは、このような厳しい品質基準を設けることは少ないようだ。基準が緩ければ取扱数は膨大になるが、ガチャの要素は残ってしまう。バックマーケットを利用する販売業者が支払う手数料は、大手ECサイトよりも高い約11%だが、それでも利用するのは「顧客層を広げられるため」だという。
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