コラム
Suica以上のメリットがあるの? 鉄道各社が「QRコード乗車」に力を入れるワケ:経済の「雑学」(2/5 ページ)
2023年12月にも東急電鉄と京王電鉄から発表があったように、ここ数年「交通系ICカード」に力を入れてきた鉄道各社が、「QRコード乗車」に力を入れている。なぜだろうか。
訪日外国人や地方在住者から見たタッチ決済の役割
鉄道のチケットレス決済において、クレジットカードのタッチ決済は補完的な役割を果たすようになっている。
交通系ICカードを持っていない訪日外国人や、縁のない地方在住者などがたまに都会に出てきて使用するケースなどが想定されている。海外で発売されている日本のガイドブックには、空港の駅で交通系ICカードの購入を勧めているとも聞く。
では、QRコードは何を目的としたものなのか。
交通系ICカードが「できない」領域を補完
南海電気鉄道では、QRコードを使用した乗車券「南海デジタルきっぷ」を発売している。観光用の往復割引乗車券とフリー乗車券のセットや、往復乗車券とお買物券の引き換えチケットのセットといった商品である。
このあたり、交通系ICカードではカバーできない領域ではないだろうか。
確かにSuicaやPASMOを利用した一日乗車券というのもある。しかし、半導体不足により無記名だけではなく記名式のSuicaやPASMOの発売を中止しており、一日乗車券のために交通系ICカードを買うのは厳しくなっている。
交通系ICカードは乗車券として高い技術を誇るが、その機能に特化しすぎたためいろいろなことができないというジレンマをかかえている。そこで期待されているのが、QRコードである。
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