Suica以上のメリットがあるの? 鉄道各社が「QRコード乗車」に力を入れるワケ:経済の「雑学」(3/5 ページ)
2023年12月にも東急電鉄と京王電鉄から発表があったように、ここ数年「交通系ICカード」に力を入れてきた鉄道各社が、「QRコード乗車」に力を入れている。なぜだろうか。
スマートフォンの企画乗車券と相性の良いQRコード
2023年12月、東急電鉄と京王電鉄の2社が、クレジットカードのタッチ決済やQRコード決済の導入に関して、新しい取り組みを発表した。
東急電鉄は既に実施している田園都市線でのタッチ決済やQRコードを利用した実証実験を、12月12日より東横線・目黒線でも開始した。24年1月には全駅で実施するという。
利用者はデジタルチケットサービス「Q SKIP」で乗車券などを購入し、クレジットカードやQRコードを改札機(対象のみ)の読み取り部にかざすことで、スムーズに利用できる。1月以降には、東急線沿線の各施設などと連携した企画乗車券も発売する。クレジットカードのタッチ決済を利用した後払い乗車システムも、24年春以降に導入するという。
このサービスの主たる目的は、企画乗車券などを券売機を使用せずに購入できるようにすることだろう。券売機から発行される紙のきっぷを自動改札機に通すシステムは、券売機や自動改札機、特に自動改札機の紙を扱う部分のコスト負荷が高いという問題がある。
本サービスを導入することで、「東急線ワンデーパス」や「東急線東急バス一日乗り放題パス」などの一日乗車券は紙のきっぷよりも安価に設定でき、「Q SKIP」限定の「池上線・東急多摩川線ワンデーパス」なども販売できるようにしている。
24年1月には沿線各施設や東急系商業施設との連携商品を「Q SKIP」で発売する計画もある。スマートフォンに表示されたQRコードを改札機に読み込ませ、改札を通過する仕組みだ。
紙でなければ難しかった一日乗車券をデジタルでも実現し、さらに各施設の割引などもできるのは、スマートフォンがなくては難しい。
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