「心理的安全性」は自ら高める “あの人”が周囲と軋轢ばかり抱える理由(2/3 ページ)
心理的安全性を整えるは組織側の問題だと考えるビジネスパーソンもいるのではないか。個々人があるスキルを磨くことで組織の心理的安全性の向上に貢献し、自身のキャリアアップにも役立つ。どのようなスキルなのか。
個人のキャリアから心理的安全性を考える
心理的安全性が高いチームを作ると聞くととても大変なことのような気がします。しかし、実は一人一人が小さなことをコツコツと積み重ねていくことで、心理的安全性が高いチーム作りに貢献することができます。つまりチームの心理的安全性を高めることは「私1人から」始められます。
心理的安全性は、組織のパフォーマンスを大きく高めることが実証されているのですが、個人のキャリアという観点からもとても重要です。
心理的安全性が高いチームをつくるためのスキルは、21世紀のビジネスパーソンが必ず身につけておくべき必須のスキルになると筆者は考えています。これからの私たちの働き方は大きく変わっていきます。これまでのように、ずっと同じ会社で、その会社の中だけの人間関係に囲まれて働く人は少なくなるでしょう。代わりに、さまざまな会社や組織に、プロジェクト型のチームに柔軟に参加しては、また別のチームに移っていくようなフラットで柔軟な働き方が増えていくと考えられます。
そうなると、ある特定の会社や組織の作法やしきたり、人間関係に習熟するというよりは、どんどん新しいチームに参加し、すぐに他のメンバーとよい関係性を自ら構築し、チームに貢献するというスタイルが求められます。
また、これからの時代は、複業がますます当たり前になり、働くフィールドもビジネス領域だけではなく、地域や趣味、社会活動など、多種多様なコミュニティに同時に参加する人が増えるでしょう。それぞれの場において重要なのは、心理的安全性を自ら高めることができるスキルです。
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