「就活に生成AI」7割の企業が肯定 学生にどんな使い方を期待している?
学生が就活で生成AIを利用することについて、約7割の企業が肯定的であることが、ベネッセホールディングスとパーソルキャリアの合弁会社、ベネッセ i-キャリア(東京都新宿区)が運営する「doda新卒エージェント」「dodaキャンパス」による調査で明らかとなった。企業はどのような使い方を望んでいるのか。
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【概要】生成AI開発や業務導入などの取り組みは日々加速する一方、業務にうまく生かせないといった課題も。日本企業は生成AIにどう向き合えばいいのか。生成AI活用の第一人者・深津貴之氏と、独自LLMの開発を進めるサイバーエージェントの毛利真崇氏が語る。
生成AIの利用者が年々増えている。学生が就職活動で生成AIを利用することについて、約7割の企業が肯定的であることが、ベネッセ i-キャリア(東京都新宿区)が運営する「doda新卒エージェント」などの調査で分かった。企業はどのような使い方を学生に望んでいるのか。
学生が生成AIを利用することについて「積極的に利用するべき」という回答は6.3%、「必要に応じて利用しても問題ない」という回答は64.2%に上り、約7割の企業が利用に肯定的であることが分かった。
生成AI、企業が学生に求める利用法は?
企業は就活のどのような場面で生成AIを利用するのが望ましいと考えているのか。最も多かったのは「業界・職種研究」で26.2%。次に「企業分析」(22.5%)と続いた。
「利用すべきでない」と考える企業の理由は?
一方で、就活で生成AIを「利用すべきでない」と回答した企業にその理由を尋ねた。「生成AIに頼らず選考に臨んでほしいと考えるため」が最多で52.1%を占めた。
学生の生成AIの利用について、対応の方針は決まっているのか。約半数にあたる47.7%の企業が「対応の予定はない」と回答した。また、何らかの対応を検討している企業では「『面接』など対面形式の選考に重きを置く」(17.0%)、「対応を検討しているが、具体的に決まっていない」(13.8%)などが上位に挙がった。
生成AI、新卒採用業務のどこで生かしている?
新卒採用業務に生成AIを「利用している」という企業は11.4%にとどまった。具体的な利用場面の1位は「スカウト文面の作成」(33.3%)、2位は「募集要項の作成」(30.3%)となった。
生成AIを利用することで「プラスの影響があった」という回答は65.0%に上った。理由は「面談・面接などの対面コミュニケーションにかけられる時間が増えた」が最多となり35.0%。次に「採用基準の言語化・標準化に役立った」(25.0%)と続いた。また、75.0%が生成AIの利用によって「業務効率化が進んだ」と回答した。
企業や学生の生成AIの利用が進むことにより、採用要件(求める人物像)に変化が生じるかについては、54.5%と半数以上が「分からない」とした。「いいえ」(36.4%)が「はい」(9.1%)を大きく上回る結果となった。
調査は2023年12月14〜23日にインターネットで実施。同社の運営する就活サービスを利用する176社から回答を得た。
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