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実現すれば世界初? 特急車両に水素エンジンを載せる? JR東海と組んだベンチャーに聞く:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(2/9 ページ)
JR東海が2023年12月、鉄道車両向け燃料電池の模擬走行試験を公開した。鉄道の脱炭素の多くが燃料電池方式で、水素エンジンは鉄道業界では初耳。JR東海は、この水素エンジンをi Laboと開発するという。i Laboとはどんな会社か、さらに水素エンジンの仕組みと可能性などを取材した。
約半世紀前、日本初の水素エンジンに関わる
杉山: i Laboの公式サイトによると、武蔵工業大学(以下、武蔵工大)の研究所がルーツとのことですね。いまの東京都市大学です。実は、私の家の近くに東京都市大学の原子力研究所があります。見学会に行ったら、原子炉は武蔵工大の頃につくられたそうで、1989年に運転停止されたそうですね。技術の最先端を行く武蔵工大で、70年に日本初の水素エンジンが動いて、4年後には水素エンジン自動車が環八(東京都道311号環状八号線)を走りました。
小松氏(以下、小松): 現在、国内外で水素エンジンを開発研究しているところは、たくさんあると思います。そのなかで弊社は、水素エンジンの新規開発ではなく、今あるエンジンの活用、水素燃料化(コンバージョン)を開発しています。
杉山: ほかにはない注目点ですね。
小松: モビリティショーやトラックショーなどで、FCV(燃料電池)の展示はあります。しかし、運送業界は「2024年問題」で厳しい経営状況になるなかで、どれだけの会社が新しいFCVを買えるのか。全車両を順次置き換えるとして、いまあるトラックをどうするのか。そこで「ディーゼルエンジントラックを改造して水素で走らせる」というアイデアを事業化しました。
杉山: 低コストで保有車をそのまま維持できる。これは魅力ですね。
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