2015年7月27日以前の記事
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ハイブリッドが当面の“現実解”である理由 勝者はトヨタだけではない高根英幸 「クルマのミライ」(3/5 ページ)

EVシフトに急ブレーキがかかっている。CO2排出や電力消費の面で現実が見えてきたからだ。現時点ではハイブリッド車、そのなかでもエンジンで発電してモーター走行するシリーズハイブリッドが最も現実的な方式だ。その理由とは……

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効率的なハイブリッドトラックにするために

 トヨタのTHS(トヨタ・ハイブリッド・システム)は、シリーズハイブリッドにもパラレルハイブリッドにもなる独自のストロングハイブリッドと呼ぶ機構だ。これを大型トラックにも導入することは不可能ではないが、エンジンの出力や発進時の駆動力に耐えるためには、THSの各部品の強度も確保しなければならず、さらにモーターも2基必要になる。

 どうせ2つモーターを使うのであれば、シリーズハイブリッドとしてエンジンを中型トラック用などにした方が安価で効率の高いシステムにできる。さらに駆動用モーターに2、3段の変速機を組み合わせれば、高速道路から市街地、急坂の登坂まで対応できるシリーズハイブリッドトラックができあがるのではないだろうか。

 行き先が決まっている定期便であれば、燃料電池を利用する手もある。しかし、それもモーターだけで走行するのであり、現在の水素の製造や電気への変換効率を考えれば、シリーズハイブリッドと比べてそれほどメリットがあるとは言えない。


燃料電池はすでに都内の路線バスにも導入されている。さらに定期便のトラックにも向いているシステムだ。しかし水素生成や電力への変換時のロスは大きく、採算ラインに届くことは難しい

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