リスキリングの障壁 「時間がない」「何をすべきか分からない」を抑えた1位は?
ビジネスパーソンにおけるリスキリングの障壁とは。学研ホールディングスのグループ会社であるベンド(東京都千代田区)の運営する「スキルアップ研究所」が調査を実施した。
リスキリングへの需要が高まっている一方で、実際のリスキリング実施率はまだ高くないのが現状だ。ビジネスパーソンにとって、何がリスキリングの障壁になるのか。学研ホールディングスのグループ会社であり、「スキルアップ研究所」を運営するベンド(東京都千代田区)が調査を実施した。
リスキリングの障壁 「時間がない」を抑えた1位は?
リスキリングに取り組んでいない理由について、最も多い回答は「金銭的余裕がない」となり半数近くに上った。「何をすべきか分からない」「仕事が忙しすぎて時間がない」と続いた。
リスキリングに取り組まない理由は1人あたり平均2.26個挙がった。リスキリングを阻む要因は単一ではなく、複数の障壁が重なっていることがうかがえる結果となった。
会社から費用補助があるならば、リスキリングに「取り組む」「取り組みを前向きに検討する」とした人は合わせて69.3%に上った。また、会社から取得すべき資格や取り組むべきことが明示されるとしたらリスキリングに「取り組む」または「取り組みを前向きに検討する」とした人は合計で78.1%を占めた。
働く人々は週にどれくらいの自由時間を持っているのか。最も多い回答は「10〜15時間」で32.0%。次いで「1〜5時間」(31.1%)となり、約7割が週に15時間以下しか自由時間を持てていないことが明らかに。1日2時間の自由時間の確保もままならない実態が分かった。
現状の自由時間に加えて1週間にどれくらいの追加時間があればリスキリングに取り組めるか尋ねた。最も多い回答は「15〜20時間」で45.6%に上った。
合わせて9割ほどが「20時間以下」と回答。労働者がリスキリングを十分に行うためには、現在の自由時間の約2倍の時間が必要であると明らかになった。
調査は3月21〜27日にインターネットで実施。20代以上の社会人でリスキリングに取り組んでいないとした228人から回答を得た。
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