過度な理詰めに要注意……“ロジハラ上司”の3つの特徴(2/3 ページ)
最近「ロジハラ」という言葉がビジネスの場で使われるようになっています。正論(ロジカル)を突き付けて相手を精神的に追い詰めることも、ハラスメントになりえます。今回の記事では事例をもとに「ロジハラかロジハラでないかの分岐点」「ロジハラに陥りやすい人の特徴とロジハラにならないための対処法」「企業としてロジハラにどう対応するか」について解説します。
ロジハラになりやすい3タイプ
部下に正論に基づいた教育、指導を行う管理職者は多いですが、中でもロジハラになりやすい人は次の3タイプに分類できます。
(1)常に自分の意見が正しいと思っている
相手が自分と異なる意見を持っていた場合、相手の考えを受け入れず、自分の意見の正しさを主張し続けます。相手に教えてあげるつもりで話している場合もありますが、度が過ぎるとロジハラになりかねません。
(2)自分に自信がなく、劣等感がある
部下に対して指導に自信がないが、自らの優位性(上司であること)を利用して高圧的に接する、部下の意見の揚げ足を取るなどのロジハラをしてしまうことがあります。
(3)相手の話を聞かない
全体、もしくは個人ミーティングなどの場で、一方的に自分の話をするだけで終わってしまう傾向がある人は、本人にそのつもりはなくても部下との意思疎通が一方通行になりがちです。その結果、業務上の指示を受けた部下が身動きが取れず、精神的に追い詰められたり、メンタルヘルス不調になったりするケースもあります。
ついつい「詰めすぎる」 どう予防?
ロジハラを防ぐためには、本人がまず「自分はロジハラをしているかしているかもしれない」との自覚を持つことが重要です。もし自覚がない場合は、研修などで定義と実例を通じて自覚を促すことが必要です。
その上で次の方法を試してみましょう。
(1)相手の話を聞く姿勢を持つ
ロジハラ傾向がある人は、相手の話を聞いたり相手の話に共感したりすることが苦手です。自分の意見を主張する前に、まずは相手の話を聞くこと。共感できるところを探す姿勢を持つことが大切です。これを心掛けて実行に移すだけで相手とのコミュニケーション力が高まります。
(2)議論について、何でもその場ではっきり答えを出すことを止める
たとえ正論でも、実行するのには時間やさらなる検討を要する場合などもあります。何が何でもすぐに結論を求めると相手を追い詰めてしまいます。「絶対すぐに結論が必要だ」との考え方を改め、ケースバイケースで捉えましょう。
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