インタビュー
どうする書店不況 ジュンク堂「稼ぐ」サイネージ設置 “過小評価”を払拭せよ:書店のメディア化(2/2 ページ)
消えゆく「まちの本屋さん」。存続のカギを握るのは“メディア化”かもしれない。
小売りは“過小評価”を受けている
LMIグループの望田竜太副社長は、小売り業を展開する企業は市場から“過小評価”されているのではないかと指摘する。
「GAFAに代表されるようなメガテック企業は、膨大な生活者の行動データを抱えている。そのデータが市場から高く評価され、時価総額に表れている。一方でリテールビジネスもまた消費者の膨大なデータを持っているはずなのに、同様の評価は受けていない」
他方、Web広告ビジネスの先行きも順風満帆ではない。サードパーティークッキーの廃止によって、データを収集すること自体が難しくなった。「生活者のデータを収集し、広告によって何かしらの行動をおこしてもらうには、Web以外の世界に出ていく必要があると思っている」(望田氏)
姿を消しつつある「まちの本屋さん」を惜しむ声は少なくない。書店が持つ空間の特性を生かし、いかに付加価値を生み出すかが、書店とリテールメディアの腕の見せ所だ。
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