ニュース
「完全週休3日制」は職場をどう変えた? 伊予鉄流、働き方改革の進め方:働き方をデザインする(3/3 ページ)
伊予鉄グループが導入した「完全週休3日制」。うらやましく映る制度、実は社員には「レベルの高い要求をしている」という。一体、どういうことなのか。
働き方改革の今後は?
完全週休3日制の導入で、働き方改革を推し進める伊予鉄グループ。今後はどのような展望を描いているのか。中川さんは、今後進めたいこととして「リモートワーク」を挙げる。
現状も限定的なリモートワークは実施しており、出張先や自宅でも仕事をすることができる。
社員のリモートワークのニーズ自体、現状は必ずしも高いわけではない。会社の近くに住む社員もいる。都心のように、満員電車にすし詰めになるような通勤環境ではない。
一方で、今後、労働力不足が進行した際、リモートワーク環境が整備できているかどうかで、企業が取れる選択肢の数は大きく変わる。リモート環境があれば、究極的には地方に住んでいない人にも遠隔で業務を担ってもらうことができる。「先々を見据えた環境整備は必要」だと中川さんは力を込める。
伊予鉄グループでは、傘下の伊予鉄バスと伊予鉄道でも、2023年末までに運転士の年間休日を約8%増やしたほか、週休3日を選択できる新たなシフト勤務者枠を新設。多様な働き方ができる環境を整備し、人材獲得に乗り出している。
働き方改革は、社員の働き方の自由度を高め、ワークライフバランスの実現を後押しすると同時に、企業にとっても人材の確保と定着、持続的な成長を遂げるために必要な土台となる。多くの企業が人材不足に直面する中、伊予鉄グループの取り組みは、さまざまな示唆を与えてくれそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
超時短! GPTsでプレゼン資料を作る方法【前編】
PowerPointファイルでプレゼン資料を作る作業負担を減らしたい――。無料ユーザーにも回数制限付きで開放された「GPTs」を使えば、負担を一気に軽減できる。
GPTsでスライド作成 パワポのデータ出力手順は?【後編】
無料版GPTsでプレゼン資料を作る方法【後編】では、GPTsを使ってPowerPointファイルのデータを出力する手順を見ていく。
求人への応募は3倍に 愛知県の運輸会社が「年間1000万円」かける“本気の健康経営”
今年から始まった残業時間の規制により、ますます人手不足が深刻化する運輸業界。厳しい状況が続く中、愛知県瀬戸市の大橋運輸では県外からも求人に応募があり、6年連続で新卒も入社しているという。同社が選ばれる理由はどこにあるのか……。
育休社員の「同僚に最大10万円」──三井住友海上、話題の制度がもたらした“想定外の効果”
育児休暇を取得した社員の同僚に対し、最大で10万円を支給する──三井住友海上が打ち出したユニークな人事施策が、大きな話題を呼んだのは2023年10月のこと。育休社員ではなく、フォローする同僚にフォーカスするこの施策を、実際に運用してみてどのようなことが分かったのだろうか?
味の素CEOが語る「ピラミッド型のイエッサー文化」から脱却する組織論
人的資本経営に、企業はどう対応をすればいいのか。味の素CEOに人材や技術、顧客などの無形資産が経営にとって重要な役割を果たす理由を聞いた。
