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しまむらのスリッパは「ありふれていた」のに、なぜ100万足を突破したのかみるみる売れた(2/5 ページ)

しまむらがPB商品として発売している「FIBER DRY(ファイバードライ)さらっとドライスリッパ」が、100万足の販売を達成した。発売直後は泣かず飛ばずだったのに、なぜ好調なのか。

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販売数が伸びず、2020年にリモデルに着手

 FIBER DRYさらっとドライスリッパの発売は、2017年にさかのぼる。FIBER DRYとは吸湿速乾性を備えたしまむら独自の高機能素材商品の総称であり、肌着やジャケット、帽子、スリッパなどに幅広く展開している。

 スリッパにおいては、PBの「CLOSSHI(クロッシー)」「CLOSSHI PREMIUM(クロッシープレミアム)」内で「FIBER DRYシリーズ」として販売。しまむらの客層である20〜60代の男女を幅広くターゲットとし、シンプルからキャラクターものまで豊富なデザインをそろえる。


スタンダードタイプの「クロッシー」(左)と厚底タイプの「クロッシープレミアム」(しまむら提供)

 現在のラインアップは、高通気のスタンダード製品「クロッシー」(539円)、高通気に低反発のクッション性と接触冷感機能を付加した厚底製品「クロッシープレミアム」(759円)、キャラクターデザインが施された製品(979円)の3タイプとなる。

 今でこそさまざまな工夫が見られるが、発売当時は「ありふれたスリッパだった」と柳澤氏は振り返る。

 「インソールにメッシュ素材を使っただけの市場でよく見るスリッパで、他社との差別化が弱い製品でした。それゆえリピーター獲得にはつながりませんでした」(柳澤氏)

 2017年の発売当時、しまむらでは年間500万足ほどスリッパを販売していたが、FIBER DRYシリーズは約20万足の販売にとどまっていた。

 「かれこれ20年ほど前ですが、しまむらはスリッパを日本一売っていたんです。しかし、その後は競合他社が販売する100〜300円の低価格商品に市場を奪われています。シェアを取り戻すために旗艦商品を作らなければいけないと考え、2020年からリモデルに取り組みました」(柳澤氏)

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