「東京チカラめし」が東京で再始動 今度はどう売っていくのか:「焼き牛丼」が人気(3/5 ページ)
「東京チカラめし食堂」が5月、都内の九段第二合同庁舎内にオープンした。「煮る」のではなく「焼く」というスタイルの「焼き牛丼」で人気を博した「東京チカラめし」が再始動したわけだが、反響はどうなのか。
定番に加えて「定食」や「麺類」も提供
そうした苦しい局面を経て、2024年5月、九段第二合同庁舎内に「東京チカラめし食堂」がオープン。それまでの「東京チカラめし」とは業態を変えて、東京での再出発を切った。
「コロナ禍で組織を存続させるにあたり、それまで主力だった居酒屋事業を縮小して、その代わりに官公庁の食堂事業を広げていきました。そういった流れの中で、東京法務局などが入る九段第二合同庁舎内に東京チカラめし食堂を開店することになりました」(長澤氏)
現在、サンコーマーケティングフーズでは12の食堂を受託して運営している。これまでの食堂は館内の職員しか来店できなかったが、九段第二合同庁舎の食堂は一般の人も来店できる。そこで、日常食と親和性がある東京チカラめしのブランドとコラボして「東京チカラめし食堂」としての開店が決まったという。
東京チカラめし食堂は、九段第二合同庁舎の営業日に合わせて平日の午前11時〜午後2時30分に営業。約300席を設ける。メニューは看板メニューの「焼き牛丼」(並・大/680円〜、ごはん大盛り+具1.5倍/880円〜)に加え、日替わりや週替わりの「定食」(650円〜)、「カレー」(800円)、「麺」(650円〜)と幅広くそろえる。
「社食として毎日利用されることを考えると、焼き牛丼だけではニーズを満たせないだろうと。日常食としての選択肢を広く提供することで、利用者のニーズに応えたいと考えました」(小川氏)
肉がメインのボリュームのあるメニューが多いものの、野菜が多く使われた彩りのいい定食もある。
「メニューは、3年にわたって官公庁の食堂を運営するなかで感じた『食の価値観の変化』を反映しています。食事のカロリーを気にしたり、野菜が多いおかずを選んだり、健康意識を持つ方が非常に増えました」(小川氏)
焼き牛丼の価格は並が680円で、大阪日本橋店の500円とは大きく異なる。この価格設定の要因として、小川氏は「原価高騰」を挙げた。
「ブランド立ち上げの2011年から比較して、原価は3.5倍ほど上がっています。牛肉はずっと米国産を使っていますが、今後も物価上昇は進んでいくと思います。今、当社が提供できる価格帯として680円で設定しました」(小川氏)
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