シンプル・イズ・ベスト Sansanがたどり着いたインサイドセールスの最適解とは?:多くの未経験者が活躍(1/4 ページ)
Sansanのインサイドセールス部門が2023年12月に大幅な組織改革を実施した。顧客の従業員規模をベースにした「シンプル」で「分かりやすい」組織にしたという。組織体制を変更し、どのような変化があったのか。
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名刺管理サービスを手掛けるSansanのインサイドセールス部門(セールスディベロップメント部)が2023年12月に大幅な組織改革を実施した。顧客の従業員規模をベースにした「シンプル」で「分かりやすい」組織にしたという。
組織体制を変更し、どのような変化があったのか。Sansan事業部 セールスディベロップメント部の稲毛勇人部長に話を聞いた。
従業員規模で「SDR」「BDR」を区別 アップセル専門部署も
同社では、営業DXサービス「Sansan」、インボイス管理サービス「Bill One」、契約データベース「Contract One」、名刺アプリ「Eight」──の4つの主軸プロダクトをベースに事業部制を導入しており、各組織にそれぞれインサイドセールスチームを有している。
Sansan事業部のインサイドセールスは、従業員規模が1000人以下の企業を「SDR」チーム(Sales Development Representative、マーケティング部門が獲得したリードにアプローチ)が、1000人以上を「BDR」チーム(Business Development Representative、これまで接点のなかった顧客にアプローチする営業手法)が担当している。その他、インサイドセールスのオペレーション改善・生産性向上を担う「SD企画」、新人のオンボーディング組織となる「市場開拓」を設置する。
SDR(従業員規模1000人以下を担当)
SDRは2つのチームに分かれている。SDR1は新規獲得を担い、マーケティング部が獲得したリードに対しアプローチする。
SDR2は既存顧客へのアップセル提案を担当。フィールドセールスやカスタマーサクセスが対応しきれていない顧客にアプローチする。売って終わり、ではなく、既存顧客のアップセルを、カスタマーサクセス、フィールドセールス、インサイドセールスが一丸となり追っていく。
「社内のデータベースでコンタクト情報を確認できるため、SDR1で受注した顧客の動向は随時SDR2がチェックしている」(稲毛氏)
BDR(従業員規模1000人以上を担当)
BDRは担当企業ごとに東日本、西日本で分けている。顧客はエンタープライズ企業がメイン。各顧客に対し担当営業を明確に決めるアカウント制を導入している。
フィールドセールス、カスタマーサクセスと連携し、顧客のどの部門に、どういうテーマでアプローチするかを検討。さまざまな情報からキーパーソンを見極め、受注までのシナリオを考える。
アカウントプランの策定と実行、バイヤー開拓の攻略まで、フィールドセールスと二人三脚で進行する。稲毛氏は「インサイドセールスは受注に向けてどういった意思決定プロセスを踏むべきか見極め、商談を設定。フィールドセールスは設定された商談の場で、どういった提案をすれば顧客に刺さるのか、瞬間風速を最大化していく」と稲毛氏は説明する。
BDRではキーパーソンとなる役員層、経営者層にアプローチすることが重要になるが、この過程が難しいとされている。
同社にはエンタープライズ企業に特化したマーケティング組織があり、BDRと密に連携している。「このソリューションを提供したい。こういった特徴がある(業界やビジネスモデルの特徴)企業の会社役員のリードが欲しい」など、目的を整理し、セミナーやイベントを開催。集まったリードに対してアプロ―チする。参加したセミナーの内容によって顧客の興味関心や課題感が読み取れるため、インサイドセールスは電話やメールでのシナリオも工夫する。
「少しアナログだが、『こういうご提案をしたいです』とお手紙で伝え、商談機会を獲得していくこともある」(稲毛氏)
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