富士通ゼネラルの「身に着けるエアコン」前年比2.7倍の売れ行き、人気の秘密は?:プロダクトInsights
富士通ゼネラルの身に着けるエアコン「コモドギア」が売れている。商品の特徴は……。
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日々リリースされる新しい商品やサービスたち。その商品やサービスには、必ず企業側の思惑や狙い、生活者のニーズ、時代の空気感が反映されている。本シリーズでは、これらの「Insight」を考察していく。
富士通ゼネラルの身に着けるエアコン「コモドギア」が売れている。作業現場向けのウェアラブルエアコンで、商品名は「コモドギア アイスリー」(以下、コモドギア)。販売価格は6万円、レンタル価格は月1万円(いずれも税別)で、5月中旬に発売したところ、問い合せ件数は前年比2倍、受注件数は同2.7倍を記録しているという(7月18日現在)。
商品の特徴は、首に装着して頸動脈を流れる血液を冷やことで、冷却効果を高めること(加熱も可能)。サーモモジュールを搭載した冷却部とラジエーターバッテリーで構成し、冷却温度の異なる3段階の運転モードで、40度を超える環境にも対応するという。
同商品は2020年に発売。ユーザーの声を受け、2024年のモデルは3つのポイントを改良した。1つめは、Fullモード運転にゆらぎ制御「リズム刺激」を搭載したこと。人の体は一定の温度に慣れてしまうと、温度を感じにくくなる特性がある。従来のFullモード運転は一定温度で冷却していたが、今回のモデルは冷却プレート内の温度センサーを活用し、一定のリズムで温度を変動させることで、長時間の使用時も涼しさを感じられるようにしている。
2つめは、連続運転時間を伸ばしたこと。終日使用するユーザーが多いことから、1回の充電で連続運転できる時間を、従来の5時間から最大7.5時間へ拡張した(Ecoモード使用時)。
3つめは、「ワークウェア」を新たにラインアップしたこと。フルハーネス(墜落を防止するための器具)着用の作業者も「コモドギアを使用したい」という声が多く、バッテリーと冷却部をつなぐチューブ部分を服の中にしまい込める仕様にしたことで、使用可能な現場が増えたという。
コモドギアは500社以上で採用されており、鉄鋼やプラント業界など過酷な猛暑下で働く職場が多い。昨年と比べ、企業からの問い合わせが増えているが、問い合わせの時期も変化している。例年は4〜5月ごろから増えていたが、今年は1〜2月ごろから問い合わせが増えたという。「昨夏の酷暑を経て、暑さ対策への意識が高まっているのではないか」(同社)と見ている。
受注件数が増えていることについて、同社は「年々夏の気温が上昇している中で、これまでファン付きの作業服や低価格帯のネッククーラーを使用していた人たちが、より高性能の冷却機器を求めているのではないか」と分析している。
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