2015年7月27日以前の記事
検索
インタビュー

海外売上比率7割の「ぺんてる」に聞く、ボールペン「エナージェル」が14億本も売れた秘密(5/5 ページ)

縮小・停滞が続く国内文房具市場とは対象的に、輸出額は拡大傾向だ。1953年に海外進出した「ぺんてる」は、国内大手文具メーカーのなかでも海外売上比率が高く、2023年度で7割を超える。なぜ日本の文房具が反響を得ているのか。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-
前のページへ |       

グローバルで成長するカギ

 今後、グローバルでさらに売り上げを伸ばしていくためには何が必要なのか。

 「エナージェルは好調ですが、まだポテンシャルがあると思っており、進出できていないエリアにも販促をかけていきます。その他のボールペンや当社のシャープペンシル『オレンズ』も、販売エリアの拡大を見込んでいます。高機能のシャープペンシルは海外では、まだまだこれからの製品です」


ぺんてるの高機能シャーペン「オレンズ」は、海外での売り上げ増を狙う製品の1つだ。写真は最新製品の「オレンズ AT」(2200円)

 具体的に注力するエリアとして、末岡氏は「新興国地域の中国、インド、中南米」を挙げた。

 「圧倒的な人口の多さだけでなく、国全体にパワーがあり経済成長が見込めるエリアとして積極的に手を打っていきます。特に中南米は売り上げの伸びが見られます」

 今後の課題を尋ねると「技術力の向上」だという。近年、日系の文具メーカーに匹敵するクオリティーの中国メーカーが登場している。競合との差別化を図り、優位に展開していくには製品の機能性向上が求められると末岡氏は話した。

 国内では芯が折れずノック不要のシャープペンシルなど高付加価値・高単価の製品が増加しており、入手困難になるほど売れる傾向がある。今後、そうした製品がグローバルで人気を得る可能性もあるかもしれない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る