日本語教師はなぜスパイだと疑われたか ツッコミどころ満載であるが、ビジネスパーソンが注意すべき行動:世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)
ベラルーシで日本人が拘束されていたことが現地のニュース番組で報じられた。スパイとして活動したと疑われており、過去に連絡を取った日本の企業経営者も諜報員だとされている。海外とやりとりする場合はこういったことに巻き込まれるリスクもある。注意が必要だ。
「諜報員」とされた男性は顔写真まで公開
この出来事から、特に日本企業の関係者も注意すべきことがある。誰でもいつでもこうした疑惑に巻き込まれる可能性があるということだ。「軍」のハンドラーとされた男性は、アップの顔写真まで番組で公開され、「表の顔は会社経営、実際は諜報員である」と指摘されている。
長野県で会社を営むこの「ハンドラー」男性に接触したところ、「中西氏の妹とかつて婚姻関係」だったというが、2022年2月以降はLINEですら連絡していないと主張する。筆者はこの男性に話を聞いた。以下はそのやりとりである。
――日本の情報組織と関係があるのですか?
全く何もないです。日本のいかなる組織とも関係はないです。僕は普通の人ですから。情報機関に属していたら、普通の仕事はできないじゃないですか。警察も番組に登場していますが、報道後に日本の警察から問い合わせは来ていません。
――ベラルーシにビジネスとして進出したかった?
僕の企業は西側の国々とも取引があります。社長という立場なので「ビジネスチャンスがあるかも」と思って、ベラルーシに進出を考えたわけです。ごく普通のことですよね。最初は、ベラルーシにはどんな産業があって、日本企業はあるのか、というところから始まってやりとりしていただけです。
――今回の件を受けて、国内外の仕事に支障は出そうですか? 信用問題にも発展しかねないのでは?
顔写真も出て、取引先などが怪しむことになりますよね。信用問題になりかねず、仕事に支障が出ますよ。ですので「一切無関係であること」を自分の言葉で発信していく必要があると感じています。報道後、すぐにマスコミなどから問い合わせが殺到していて、対応に追われました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「KADOKAWA」「ニコ動」へのサイバー攻撃、犯人と交渉中の暴露報道は“正しい”ことなのか
KADOKAWAグループのニコニコ動画などがランサムウェア攻撃を受けた事件について、NewsPicksが交渉内容を暴露する記事を出した。交渉中のタイミングで報じることは、企業の判断や行動を制限しかねない。対策にめどが立った段階まで待つべきではないだろうか。
「LINEのセキュリティ」は大問題 TikTokと同じ道をたどるのか
生活に欠かせないLINEを巡って、セキュリティの問題が指摘されている。2023年11月、日本人を含むユーザーの個人情報漏洩事件が発覚。これまでもセキュリティ意識の低さが問題を引き起こしてきた。日韓の企業が出資するLINEに、政府が資本の見直しを求める動きもある。
中国出張でPCは“肌身離さず”でなければいけない、なぜ?
昨年、中央省庁の職員3人が中国出張中、PCに不審なマルウェアを埋め込まれていたことが分かった。わずかな時間でホテルの部屋に侵入されたという。特に海外出張では、PCを常に携行するなど、警戒を強めて行動することが必要だ。
テレビCMを打ちまくる「Temu」は危険なのか 激安を実現するビジネスモデルとは
中国の激安通販サイト「Temu」が、テレビCMなどに多額の広告費を投入していることで注目されている。独自のサプライチェーンによって低価格を実現しているが、商品のクオリティーの低さが問題視される。個人データが中国に渡る可能性もあり、懸念は大きい。
テレグラムはなぜ犯罪に使われやすいのか 「自由」を貫く創業者の考え方とは
9億人が利用する通信アプリ「テレグラム」。秘匿性が高く、犯罪に使われることも多い。創業者は、母国・ロシアでの経験から、自由で安全で中立性の高いサービスを目指している。その思いとは。
