富士急ハイランドの観客が1.4倍に ドローンショーの「裏側」を聞いてきた:「集客力」がスゴい(4/5 ページ)
世界的にドローンショーの需要が高まっている。集客の呼び水になる、あるいはマーケティングとして有効だというが、どれほどの効果が見込めるのか。国内でドローンショーの豊富な実績を持つドローンショー・ジャパンを取材した。
中国が市場を牽引、世界記録は8100機
ドローンショー市場は世界的に拡大しており、グローバルで市場を牽引しているのは中国だという。調べてみると、中国のドローンショー市場はここ数年で急速に伸長しており、世界の約48%を占める規模になっている(QYResearch調べ)。9月4日には、中国の高巨創新(HIGH GREAT)社と日本のレッドクリフ社(港区)を含む世界5カ国のドローンショー企業が協業して、ドローンショーのギネス世界記録(以下、世界記録)を達成している。
世界記録に認定されたのはドローンショーで描く「ディスプレイの大きさ」と「ドローンの同時飛行数」だ。前者は7998の機体を使って約155(幅)×約85(高さ)メートルのディスプレイを描いた。後者は8100機のドローンを使って約15分間のショーを実施した。
「ドローンショーにおける新たな技術開発でいえば、欧米企業が強いのですが、中国企業は最先端の技術を素早くキャッチアップして、同じものをつくり出す能力が高いですね。ドローンショー市場を牽引しているのは中国で、単純に人口が多いので連日ショーを開催しても話題になるのだと思います」
先行する中国市場と日本を比較すると、日本のドローンショーは規模が小さく、中国を追っているような状況だ。ただ、日本がそのレベルに追いつくことは不可能ではないと山本氏は話す。
「規模の違いにおける一番の要因として、中国と日本では電波法という法律の違いがあり、現状の日本では一度のドローンショーで飛ばせる機体数に限度があります。中国では8000機を飛ばせるのに対し、日本では当社でも検証しきれていないのですが、マックス3000機ほどになると見込んでいます」
日本がすぐに中国の規模に追いつくのは難しいが、例えば1年後に数倍の機体数を飛ばせる可能性もあるという。また、細部へのこだわりという点で日本企業はすぐれており、ショーのクオリティーで勝てる見込みは十分にあるとのこと。今回の世界記録で再現された初音ミクのように、日本が誇るアニメなどIPとのコラボによりインパクトを出すことも考えられる。
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