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ディズニーは「中高年向け」に舵を切る? 日本での勝ち筋はエンタメ×ビジネスを科学する(2/3 ページ)

「若者のディズニー離れ」という言葉が世を駆け巡り、ディズニーが若年層からの支持を失ったとする論調が広まった。しかしそれは真実だろうか。

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コロナ禍が引き起こした「断絶」

 あまり触れられないが、コロナ禍による「娯楽文化・習慣の断絶」も影響していると考えられる。ディズニーリゾートをはじめ、ある程度出費が伴う娯楽文化・習慣の多くは10代後半〜20代前半、つまり高校生から大学生の期間にそれぞれが所属する組織の縦や横のつながりで継承されてきた。

 代表的なのが「飲み会」である。コロナ禍により、複数人がリアルの場で集まり、同じ時間を共有する娯楽が停止した。この期間に大学生だった世代は、在学中に飲み会をしなかったという人も少なくない。

 テーマパークも同様だ。「複数人がリアルの場で集まり時間を共有する」娯楽文化の継承が部分的に絶たれ、ディズニーリゾートの若者離れにつながった可能性もある。もっとも、これが明確に影響を及ぼしたといえるのは今後数年のデータを追う必要がある。

“かつての子供”をグリップし続ける強み

 ここまで「若者離れ」の理由を考察してきたが、これらの事象は必ずしもディズニーそしてディズニーリゾートの魅力が失われていることを意味するものではない。むしろより幅広い世代にアピールできるようになったといえる。

 まだ子ども向けキャラクターやコンテンツが少なかった時代に幼少期を過ごした現在の中高年層は、ディズニーに対して変わらず愛着を持っている人が少なくない。それは代表的なディズニーキャラクターだけでなく「ディズニー」というブランドそのものへの愛着にもつながっている。

 米ディズニーは「MARVEL」シリーズや、エミー賞獲得で話題となった『SHOGUN』など、内容・テーマ両面で中高年層以上を対象としたコンテンツを積極的に展開している。MARVELを傘下に収めた時期を鑑みると、米国市場で先行して大人層の維持・獲得に取り組み始めたとみられる。

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