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ディズニーは「中高年向け」に舵を切る? 日本での勝ち筋はエンタメ×ビジネスを科学する(3/3 ページ)

「若者のディズニー離れ」という言葉が世を駆け巡り、ディズニーが若年層からの支持を失ったとする論調が広まった。しかしそれは真実だろうか。

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大人世代向けコンテンツとして期待される『SHOGUN』

 日本のディズニーリゾートではどうか。今後は米国市場と同様に大人層を重点対象とするのであれば、今後MARVELに関するアトラクションが増加する可能性もある。

 折しも、2025年1月から期間限定でマーベル・スタジオのキャラクターたちが登場する「イッツ・ア・スモールワールドwithグルート」が発表されている。他国のディズニー関連テーマパークでは既に展開しているプログラムでもあり、日本でもMARVEL関連アトラクションに注力し、大人世代への訴求力を高めていく可能性はある。


『SHOGUN」がテーマパークのコンテンツになる日は来る?(出所:ディズニープラス公式Webサイト)

 直近話題となった、日本の戦国時代を描いた『SHOGUN』に関しても、米ディズニーの中でも一大コンテンツとして成長すれば、将来的にテーマパークのアトラクションに追加される可能性もゼロではない。米国をはじめとした、世界市場での人気が続くのを祈るばかりである。

 上記のように、ディズニーリゾートが発表した数字のみを見れば、若年層の来場者比率が低下していることは事実である。しかし、それがディズニーコンテンツやディズニーリゾートの魅力が失われたということにはならない。むしろ、ディズニーリゾートが時代のトレンドを捉え、着実に収益をあげられる形態へと変化を試みたことが背景にあり、その結果、より上の世代までを魅了する「魔法の国」として、その地位を確立しようとしているともいえる。

 “かつての子ども”である中高年層をグリップしつつ、同時に新しい世代の心をもつかむ。このバランスを取り続けられれば、ディズニーリゾートは今後も日本を代表するテーマパークとして君臨し続けるだろう。それには、子ども世代の新たなチャネルとして浸透しているデジタル領域と、テーマパーク領域との強固な連携が求められる。

著者プロフィール:滑 健作(なめら けんさく) 

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 株式会社野村総合研究所にて情報通信産業・サービス産業・コンテンツ産業を対象とした事業戦略・マーケティング戦略立案および実行支援に従事。

 またプロスポーツ・漫画・アニメ・ゲーム・映画など各種エンタテイメント産業に関する講演実績を持つ。

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