「福岡の屋台DX」が好調 LINEや生成AIを導入して、どうなった?:AIおいちゃんが登場(3/5 ページ)
福岡市が実施している「屋台DX」が好調だ。LINEヤフーコミュニケーションズと連携してLINEの公式アカウントを開設し、情報発信や生成AIを活用した検索を強化しているというが、どんな効果が出ているのか。福岡市役所の担当者に反響を聞いた。
第一弾のDXで実施した4つの施策と成果
第1弾の屋台DXで実施した主な取り組みは、以下の4つとなる。
(1)屋台LINE公式アカウントの開設
屋台のLINE公式アカウント(FUKUOKA GUIDE)を開設し、長浜屋台街のおすすめメニューなど個別情報を紹介。より正確に説明すると、同アカウントは以前から存在していたが、休眠状態になっていた。屋台の情報発信を行う公式アカウントとして復活させたのだという。
(2)営業状況の見える化
野外の決められた区画内で営業する屋台は、毎日店舗を設営して営業する必要がある。そのため雨などの悪天候で営業を見送ったり、早めに営業終了したりする屋台があり、営業状況を把握しづらい。
そこで、LINE上でリアルタイムで営業状況を見える化した。屋台に設置したIoT電球を通じて通電(点灯)を自動的に感知し、「まもなく営業開始/営業中/営業時間外」の3段階で営業状況を知らせている。
(3)混雑状況の見える化
長浜屋台のうち1軒「明太中毒」では、混雑状況をリアルタイムで確認できるようにした。店内を撮影した画像をAIで解析し、混雑状況を3段階で表示する。これは試験的な取り組みとして1軒に限定したそうだ。
(4)スタンプラリー
長浜屋台街に足を運んでもらうきっかけ作りとして、屋台内に設置した二次元コードを読み取るとプレゼントがもらえるデジタルスタンプラリーを期間限定で実施した。3軒ハシゴをすると、さらに一品がサービスされる。
1年間にわたって運用した結果、公式アカウントの友だちが9000人ほど増加した。福岡市内に住んでいる人がメインだが、他県在住者も多いという。利用者へのアンケートによれば、約6割が「サービスに満足した」と回答した。屋台利用者への聞き取り調査では、「LINEを見て来た」という観光客がチラホラ見られた。
集客効果に加えて、店主と一緒に長浜を盛り上げようと取り組んだことで屋台全体の一体感も高まったそうだ。概ね良い成果が得られたが、混雑状況の見える化だけは難しさがあったと山喜多氏は言及した。
「屋台は座席数が13席以下と限られており、回転率が早い特徴もあります。お手洗いで席を外しただけなのに『空き』と判断してしまったり、AIの解析直後にすぐ新しいお客さんが来店したり、実態とLINE上の表示が異なるタイミングがありました」
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