楽天、PayPay、Vポイント 国内2.5兆円市場を制するのはどこか:「ポイント経済圏」定点観測(2/5 ページ)
ポイント経済圏が日本の消費行動を大きく左右する時代になった。J.D.パワー ジャパンが実施した調査をみると、各社の現状と課題を浮き彫りにしている。具体的には……。
ポイントの満足度を左右する要素
共通ポイントの満足度ナンバーワンは、いわずとしれた楽天ポイントだ。この調査は、どのポイントが一番人気かとかどのポイントが一番使われているかとかではなく、「そのポイントのメインユーザーが、どのくらい満足しているか」を調べていることに注目してほしい。楽天ポイントは、最大勢力の共通ポイントだが、利用している人の満足度でもトップになっているのだ。
では、どんな点が満足度につながっているのだろうか。奥氏は「ためやすさ、使いやすさ、確認しやすさのすべてが4年間ずっとトップ。特に、最も満足度に影響する『ためやすさ』のポイントが、楽天ポイントは高い」と話す。
全般に高い評価を受ける楽天ポイントだが、特にためやすさにおいて他をしのぐ。例えばオンラインでポイントをためる割合は、楽天市場を有する楽天ポイントがダントツで高い。一方、ヤフーショッピングを持つPayPayポイントやau PAYマーケットのPontaポイントを貯める割合は平均並だ。またAmazonと連携を始めたdポイントも、満足度として効果が出てくるのは次回調査あたりからだろう。
リアル店舗でのたまりやすさはどうか。実はここでも楽天ポイントの強さが光る。旅行や宿泊、ガソリンスタンドなど比較的高額なサービスでの利用においてポイントを貯めるユーザーが多い。
少し面白かったのが、今回から調査に加わったJREポイントだ。JR東日本が運営するポイントサービスで、鉄道利用やSuica決済、駅ビルでの買い物でたまる。特に駅ビル、百貨店、書店、カフェでの利用で多く利用されている。これは、駅を中心とした「街」の概念を軸にしたポイント戦略が功を奏した結果だといえるだろう。このことが、ポイント総合満足度で3位につけたことにつながっている。
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