デパ地下を「7階」に移してどうなった? 西武池袋の実験で分かった意外なこと:食品売り場といえば「地下1階」なのに(2/4 ページ)
2025年1月にリニューアルオープン予定の西武池袋本店が、今夏より実験的な取り組みを開始している。地下1階にあった食品売り場を7階に移動して営業しているのだ。売り上げ規模は想定通りだが、意外な反響も見えているという。どんなことが分かったのか。
改装に伴い、規模を縮小して7階へ
2023年9月1日、セブン&アイ・ホールディングスが子会社のそごう・西武を米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループに売却した。
フォートレスの完全子会社となったそごう・西武は、新株主のもと事業戦略を再構築し、2024年6月に本格的な改装工事への着手と2025年夏のグランドオープン予定を発表。6月21日には、ヨドバシカメラの新業態で美容体験に特化した「ヨドブルーム(Yodobloom)」が西武池袋にオープンした。
売り場面積の半分弱をヨドバシカメラが占めることから、西武池袋の面積は大幅に縮小する。2025年のリニューアルでは、「ラグジュアリー」「コスメ」「デパ地下」の3領域を中心とした店舗に生まれ変わる。
この改装に伴い地下1階をクローズする必要があり、そこにあった食品売り場をどうしようかと検討した結果、デパナナのオープンを決めたという。
「食品は非常にニーズの高い商品であり、改装期間中も提供し続けたい思いがありました。売り場を7階にしたのは、元々が催事場であり火気や水道、排気機能などのインフラが整っていたことが理由です」
デパナナは地下の食品売り場と比較して面積が3分の1以下に縮小されており、出店数も同様に減らしている。さらに各店舗の売り場面積も以前より小さいという。つまり、人気ブランドの売れ筋商品をぎゅっと凝縮して展開している。
「従来のデパ地下は『総菜』『菓子』『名産品(ギフト系)』の3領域があったのですが、デパナナではよりニーズが高い『総菜』と『菓子』の2つに絞り込みました。さらに『和総菜』『洋総菜』『中華総菜』といった各カテゴリーの中で人気ブランドを厳選しています。規模は縮小しましたが、常設売り場と見え方が変わらないように配慮しました」
加えて、以前7階で催されていた期間限定の催事をデパナナでも取り入れた。一定区画を設け、季節に合わせた商品をポップアップストアとして展開している。
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