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NHK、34年ぶり赤字の原因はどこにある? ネトフリと比べて分かる“いびつ”な構造(6/6 ページ)

NHKが34年ぶりに赤字になったとして話題になった。赤字の原因を見ていくと、いびつな構造が明らかになる。

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BBCの受信料徴収はもっと厳しかった

 ちなみにBBCは、受信料を払わないと罰金を徴収する仕組みで、NHKの受信料モデルより厳しい。近年では、BBCのストリーミングサービスの普及に伴い、若年層を中心としたライセンス料の支払い範囲の拡大に疑問を抱く人が増え、代替的な料金の導入を求める声も上がっている。

 この点はNHKもBBCも似ており、現代の高度化した情報社会において、公共放送の役割を再定義しなければならないのはどの地域も同じなのかもしれない。

 そうはいってもやはり、NHKが慢性的な赤字体質に陥り、経営危機ともなれば救済のために巨額の公的資金が投入されるリスクもある。

 それを避けるためには、柔軟な収益モデルへの転換とともに、デジタル化戦略の強化、そして日本人だけからお金を徴収するモデルから、国際市場に打って出るビジネスモデルの転換が必要だろう。

 デジタル時代における公共放送の在り方を再定義し、国内外の視聴者に対して価値を提供し続けるためには、NHKの持続可能な改革と収益モデルの見直しが不可欠である。

筆者プロフィール:古田拓也 カンバンクラウドCEO

1級FP技能士・FP技能士センター正会員。中央大学卒業後、フィンテックベンチャーにて証券会社の設立や事業会社向けサービス構築を手掛けたのち、2022年4月に広告枠のマーケットプレースを展開するカンバンクラウド株式会社を設立。CEOとしてビジネスモデル構築や財務などを手掛ける。Twitterはこちら


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