「青春18きっぷ」大ブーイング やっぱり、新ルールは改悪か 利用者の本音とJRの狙い:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(3/6 ページ)
JRグループが11月26日に「青春18きっぷ」の冬版を発売する。今回からルールが大きく変わり、従来からのユーザーに概ね不評だ。しかし商品を改定する理由は「そのほうが売れるから」「そのほうが利益につながるから」である。利用者目線で改悪であっても、サービスの提供側に利点があるはずだ。
発表時に大ブーイング、運動に3万人超が署名
今回の青春18きっぷの冬版は10月24日に発表された。前出のルール変更は、従来からのユーザーに「改悪」と捉えられ、概ね不評だ。概ね不評といえるのは、自動改札対応を評価する声が一部にあるためだ。
地方の駅で有人改札が減少し、都心部や観光地の駅では有人改札が訪日観光客で混雑しているからだという。また「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」は、津軽線の蟹田(かにた)〜三厩(みんまや)間が災害で不通となっており、青森県側の奥津軽いまべつ駅に到達しにくい状況だから、仕方ないともいえる。
不満は、「任意の5日」が「連続5日」に変更された点に集中した。私も青春18きっぷを使うときは日帰りの旅が多かった。首都圏の日帰り圏は狭いけれど、航空券や夜行バスを組み合わせれば、北海道、北陸、京阪神、中部地域でおトクに使える。5週間にわたり毎週末に出掛けるという利用者も多かったのではないか。各駅停車ばかりの5日連続の旅は考えにくい。新たに3日間用が発表されたけれど、3日連続も使い勝手が悪そうだ。
ところで、新たに設定された3日間用は「秋の乗り放題パス」によく似ている。「秋の乗り放題パス」は青春18きっぷが設定されない秋季用のきっぷで、今年も発売された。利用期間は10月5日から10月20日までの連続3日間だ。普通列車限定で、青函トンネル用の「秋の乗り放題パス北海道新幹線オプション券」もある。その他、並行在来線第三セクターの通過利用や、普通列車の少ない区間の特急乗車の特例なども、青春18きっぷの諸条件と同じ。料金は7850円だ。
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