「青春18きっぷ」大ブーイング やっぱり、新ルールは改悪か 利用者の本音とJRの狙い:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(2/6 ページ)
JRグループが11月26日に「青春18きっぷ」の冬版を発売する。今回からルールが大きく変わり、従来からのユーザーに概ね不評だ。しかし商品を改定する理由は「そのほうが売れるから」「そのほうが利益につながるから」である。利用者目線で改悪であっても、サービスの提供側に利点があるはずだ。
利用者にとって便利な面も
- 自動改札機を利用できる
自動改札を使えるようになって利用者は便利になった。
前回までは、有人改札で日付印を押してもらってから利用していた。あるいは最初に乗った列車の車掌に見せて日付印を押してもらう。自動改札を通れないので、大きな駅では必ず有人改札を通る必要がある。駅によっては複数の改札口があっても有人改札が1カ所だけで、北口から外に出たいのに南口しか使えないなどの不便があった。また有人改札の稼働時間は日中に限られており、始発から乗る場合に日付印がもらえない。
- その他の変更
青函トンネルは普通列車が走らないから青春18きっぷは使えない。ただし別売りの「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」を使うと、北海道新幹線の普通車の空席を片道1回だけ利用できる。さらに道南いさりび鉄道の木古内〜五稜郭間を通過利用できる。これでJR東日本区間とJR北海道区間がつながる。その区間が従来の「奥津軽いまべつ〜木古内」から「新青森〜木古内」に拡大された。ただし料金は区間延長に応じて2490円から4500円に値上げされた。
乗車日が翌日にまたがる列車は、前回までは「0時を過ぎて最初に停車する駅まで有効、東京・大阪の電車特定区間は終電車まで」だった。今回から「最終列車まで有効」に統一された。ただし、大晦日などの終夜運転では通常ダイヤの最終列車までだ。
JRホテルグループの加盟ホテルの宿泊割引が廃止された。ここにも意味があるけれども、これは後述する。
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