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「青春18きっぷ」包囲網が完成? JR各社の乗り放題きっぷがそろった杉山淳一の「週刊鉄道経済」(1/6 ページ)

「青春18きっぷ」が発売される。片道71キロメートル以上の往復で元が取れ、LCCや夜行バスでワープしてから使うのもいい。だが、ほかの交通手段と組み合わせるなら「青春18きっぷ」にこだわる必要はない。「青春18きっぷ」に代わるきっぷをつくるなら、筆者には心待ちの大本命がある。

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 「青春18きっぷ」が2023年も発売される。例年通り、春季、夏季、冬季の3シーズンだ。JRの普通列車、快速列車に乗り放題。1日有効×5回分で1万2050円。1回当たり2410円。青函トンネルはいまのところ貨物列車と北海道新幹線だけで普通列車がないから、救済措置として別売りの「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」も発売される。1乗車につき2490円で、北海道新幹線の奥津軽いまべつ〜木古内間と道南いさりび鉄道の木古内〜五稜郭間を乗り継げる。

 春の「青春18きっぷ」の利用期間は3月1日から4月10日まで。販売期間は2月20日から3月31日まで。さて、どこへ行こうか。片道71キロメートル以上なら往復で元が取れる。普通列車を乗り継いで遠くへ出掛けてもいいし、いっそLCCや夜行バスで「ワープ」して、そこから使い始めてもいい。新幹線のネット予約でも安いきっぷを買える。これらと組み合わせたら、出発地から普通列車、快速列車を乗り継ぐより、もっと遠くへ行ける。

 ちょっと待った。ほかの交通手段と組み合わせるなら「青春18きっぷ」にこだわる必要はない。JR各社が自社エリアで展開するフリーきっぷもある。少し値段が上がるけれど、特急列車に乗れるきっぷもある。青春18きっぷと利用期間が重なるきっぷもある。まるで国鉄時代につくられた「青春18きっぷ」を取り囲むようだ。


青春18きっぷ+大垣行夜行「ムーンライトながら」は、関東と関西を結ぶ定番のルートだった。夜行快速の廃止、ローカル線の廃止、新幹線開業に伴う第三セクター化などで、青春18きっぷは使いづらくなっているかも……
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