インタビュー
気が重い「督促業務」をデジタル化、未回収率50%→1%に 「血を流しながらやってきた」スタートアップの挑戦(2/5 ページ)
ある保育園が「債権督促」ツールを導入したという。背景にあるのは心理的負担と、あるスタートアップの挑戦だ。
未収金の増加リスクは高まっている
人手不足の中、本業とは異なる性格を持つ督促業務を、デジタルの力で解決したいと考えるところは多い。
愛知県常滑市社会福祉協議会は生活困窮者向けのくらし相談センターで同システムを導入した。同協議会では、病気や失業など何らかの理由で生活が立ち行かなくなった人にハローワークと連携した就業支援や、生活再建のためのサポートを実施。必要に応じて貸付金による支援も行う。
「リソースが潤沢にある状況ではなく、紙で管理しているので返済が滞っているなどの状況を把握するのも一苦労。なかなかタイムリーに連絡を取ることや対象者の方に定期的に連絡することが難しく、もどかしさを感じていた」。同協議会の担当者は、Lectoが行ったヒアリングの中で、これまでの課題をこう明かす。
システムの導入で、対象者への定期的な連絡が可能になった。「社会福祉協議会の理想は、対象者としっかり連絡を取り、フォローアップができる状態を保つこと。マンパワーに限界がある中で、システムによる定期的な連絡で、人手をかけずにフォローアップの形を作れる」と小山氏は説明する。
未収金の増加リスクは確実に高まっている。
経済産業省がまとめたクレジットカードの延滞率は、住宅ローンの4カ月以上延滞率は2024年3月時点で0.32%と、1年前の0.25%から上昇。
「返済優先順位の高いものが遅れているということは、保育園の代金などは確実に延滞率が上がっている」(小山氏)との見方だ。
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