インタビュー
気が重い「督促業務」をデジタル化、未回収率50%→1%に 「血を流しながらやってきた」スタートアップの挑戦(3/5 ページ)
ある保育園が「債権督促」ツールを導入したという。背景にあるのは心理的負担と、あるスタートアップの挑戦だ。
人がやりにくい、やりたくないことを行う
Lectoは「督促回収テック」を掲げるフィンテック企業だ。金融サービスやサブスクリプションサービスの裏側にある面倒な実務や、複雑で属人化しやすい業務フローを改善。債権管理から回収、最終的な債権償却まで一気通貫での課題解決を目指す。
従来の督促業務は、コールセンターが一斉に電話をかけ、支払い期限を過ぎた人全員に同じように催促を行うのが一般的だった。しかし小山裕社長は「そこには無駄が多い」と指摘する。
同社のシステムの特徴は、延滞者の状況に応じて督促方法を変える点にある。
「20万円遅れている人もいれば1000円の人もいる。常習者なのか、うっかりなのか、高齢者か若年層か。債務者の個性や状況に応じて、督促のタイミング、内容、手段を全て出し分ける」(小山氏)という。
例えば若年層には電話を控え、SMSでリマインドを送信。支払い用のバーコードを添付し、その場でオンライン決済を促す。一方、高齢者には電話での連絡を優先するなど、きめ細かい対応が可能だ。自動音声による架電では、ボタン操作で支払い約束を取り付けることもできる。
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