「サントリー生ビール」の好調 若者の心つかんだ、CM登場の“グッズ”(2/2 ページ)
サントリーが展開する「サントリー生ビール」ブランドが好調だ。快進撃の裏には業務用の瓶・樽製品の拡大のほか、CMにも登場する“公式グッズ”の存在もあるという。
「オリジナルジョッキ」も好評
テレビCMでは若手俳優の山崎賢人さん、上白石萌音さんを起用し、若年層(20〜40代)に向けて訴求を強化する。インテージSCIの調査によれば、ビール市場全体(発泡酒なども含む)における商品の新規購入者のうち、若年層は39%。一方で、サントリー生ビールの若年層比率は44%とこれを上回っているとのことで、ターゲティング施策でも手応えを得ているようだ。
飲食店向けに提供している「オリジナルマグジョッキ」も好評だという。膨らみのあるどっしりとしたシルエットと、青地のブランド名が特徴的な専用ジョッキだが、CMに登場させたところ「出てくるジョッキがかわいい」「まるっとした形が面白い」「どこで手に入るのか」といった反響が見られたという。
こうした声を受けて、同社はこのジョッキを、缶製品のキャンペーンでも積極的に取り入れている。2024年7月には、景品に当該ジョッキが付いてくる350ミリリットル缶のケース(24本入り)を数量限定で用意。9月には、購入点数に応じて名入れのジョッキなどをプレゼントするキャンペーンを開催した。「CMに出てくるジョッキで飲める」という“体験価値”によるアプローチも、売り上げの伸びに貢献しているようだ。
飲用体験を充実させるべく「形状にもこだわっている」と担当者は強調する。「直径を大きくすることで、一口当たりの量が多くなるようにしました。飲み口の厚みは薄めに抑え、口当たりが良くなるようにバランスを工夫しています」
将来的に、「年間1000万ケース級」のブランドを目指すというサントリー生ビール。“体験”を重視し、若年層への訴求を強化するアプローチ施策は、ブランドの長期的な定着につながるか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
常温缶が「生ビール」に 爆ヒット「サントリー生ビール」開発部署が繰り出す次の一手
2023年に発売し、大ヒットを果たした「サントリー生ビール」。同商品を企画・開発した部署から、新たなサービスが出ている。その名も「nomiigo(ノミーゴ)」。常温の缶ビールが、わずか1分足らずに「生ビール」へと変貌する仕組みのビールサーバで、アフターコロナ需要を狙う。
サントリー、10年ぶり“創業家”社長 「大政奉還では?」の問いに「そんな甘いものではない」
サントリーHDは12月12日、鳥井信宏副社長を新社長とする新たな人事を発表した。社長としては約10年ぶりの創業家出身となるが、新浪剛史社長はこれをどう捉えているのか。
「サントリー生ビール」が売れている ヒットの背景に“違和感”あり
4月に登場した「サントリー生ビール」が売れている。その要因として、味わいやマーケティングなどが挙げられるだろうが、筆者は「パッケージデザイン」が気になった。どういうことかというと……。
えっ、売上比率はたった「1%」? それでもビールのミニ缶が40年も愛される理由
缶ビールのサイズを見ると、ミニ缶と呼ばれている135mlがある。「一番搾り」の内訳を見ると、売り上げ比率は1%ほど。あまり売れていないのに、なぜ販売を続けるのか。キリンビールの担当者に聞いた。



