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ほとんど「マグカップ」な土鍋が1億円売れるヒット 逆手に取った「思い込み」:テストマーケティングから見るプロダクトの近未来(2/2 ページ)
「思い込み」にこそ、ビジネスチャンスは眠っている。
「手間をかけずに土鍋ご飯が食べたい」を実現したことがヒットにつながった
プロジェクトの応援コメントでも「私にぴったりの土鍋が見つかりました」「こういうのがあったらいいなと思っていました」などの声が多数寄せられています。調理の簡単さはもちろん、これまではあまりなかった0.7〜1合という手軽なサイズで、デザインもかわいらしいことから、高評価を得ているようです。
「おまぐはん」が注目を集めたのには、多くの人が「土鍋ご飯を楽しみたい」と思いながら、「手間がかかる」と諦めていたことが背景にあります。それをいとも簡単に解決したことで、たくさんの人から支持を得ることができたのです。
新商品や新サービスを考える際には、今あるメリットを伸ばす、もしくはデメリットを軽減するという方向性で考えがちです。しかし、常識や思い込みにとらわれず、一見難しそうだと思われる要素を両立させること、つまり「トレード・オフ」ならぬ「トレード・オン」の考え方が重要です。実はヒットしている商品やサービスには、「AなのにB」といった通常なら成り立たないと思われている二つの要素を両立させたものが多いのです。
「両方を求めるなんてわがままだよな」と思ったところに、ヒットの種が隠れています。自分の心にある「わがまま」に気付いたら、それを何とか形にできないかと考えることが重要だといえるでしょう。
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