「まだ日本では数百万の店舗でVisaが使えない」 Visa日本法人社長が語る“野望”(2/4 ページ)
ビザ・ワールドワイド・ジャパンのシータン・キトニー社長に、これまでの成果と今後の戦略を聞いた。
中小企業への導入状況に課題
――課題はありますか。
中小企業での導入拡大が最大の課題です。まだ日本では数百万の店舗でVisaが使えず、現金払いしか受け付けていない状況です。
また、決済のデジタル化も課題です。基盤整備と並行して、お客さまと加盟店の双方にとって使いやすいデジタルサービスを作る必要があります。
スマートフォンでの決済は急速に普及していますが、私たちが目指す利便性の高いサービスを提供できるまでには至っていません。これは今後1〜2年の課題となるでしょう。
さらに、法人間決済(B2B)分野も大きな可能性を秘めています。最も成長が速い分野の一つですが、まだ可能性の一部しか実現できていません。
大阪での認知度向上に手応え
――大阪エリア振興プロジェクトについて、その成果をどう評価していますか。
まず大阪で、これまでにないタッチ決済の普及に向けたさまざまな販促活動や、利用者や加盟店へのアプローチを試みました。金融機関やメディア、自治体と協力し、他地域と異なる成果を目指しています。
開始から8カ月で、タッチ決済の認知度は全国平均より5%高くなり、月間約200万件の利用があります。2023年と比較した利用増加率も大阪が約120%と、全国平均の約115%を上回っています。スマートフォン決済の普及も全国より速いペースです。
特に成果を感じているのは、若い世代でのブランド認知向上です。従来、中高年層ではVisaカードの認知度は高かったのですが、Z世代(10代後半〜20代前半)への浸透が課題でした。
各社や行政と連携した新しいマーケティング手法により、Z世代のVisaブランドへの印象が大きく改善しました。日常生活での便利さを実感してもらえるようになってきています。
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